グスタボ・ペトロ

グスタボ・フランシスコ・ペトロ・ウレゴ：コロンビア大統領

グスタボ・フランシスコ・ペトロ・ウレゴ（Gustavo Francisco Petro Urrego）は、1960年4月19日生まれ。南米コロンビアの政治家で、第59代コロンビア大統領。

生い立ちとM-19参加

コロンビア北部のコルドバ県で、教育者の父と母の間に生まれました。幼少期にボゴタへ移り、その後シパキラへ。高校時代には校内新聞を創刊し、文化センターを設立するなど、早くから社会に関心を持っていました。チェ・ゲバラの死に衝撃を受けた父親の姿を見て、政治を意識するようになったと言います。大学時代には経済学を学びつつ、18歳で左翼ゲリラ組織「4月19日運動（M-19）」に参加。当時のコロンビアは政治的な抑圧が強く、ペトロはそれに抵抗する若者の一人でした。M-19での通称は「アウレリャノ」。

M-19での活動と逮捕

1984年、M-19は政府との和平交渉を行いますが、ペトロは市議会議員でありながら、デモでM-19のメンバーであることを公表。貧困層のための土地占拠を主導し、ボリバル83地区の建設に貢献しました。その後、M-19の主要指揮官であるカルロス・ピサロと親交を深め、武力紛争の政治的解決と憲法制定議会の必要性を訴えました。1985年、停戦が終了すると、ペトロは武器不法所持で逮捕され、拷問を受け、有罪判決を受けました。M-19が起こした最高裁判所占拠事件には、収監中のため関与していません。

政界への進出

釈放後、M-19と政府との和平プロセスに参加。M-19解散後は、エステルナド・デ・コロンビア大学で経済学の学位を取得し、その後も大学院で学び続けました。1984年から1986年までシパキラ市議会議員を務めました。

大統領として

2022年、コロンビア大統領選挙に出馬し、決選投票で勝利。コロンビア初の左派政権を樹立しました。大統領就任後は、ベネズエラとの国交回復などの政策を推進しています。しかし、長男の麻薬カルテルからの選挙資金疑惑が浮上し、議会での調査が開始されるなど、政権運営は困難な状況にあります。

コカイン合法化への提唱

コロンビアが世界有数のコカイン生産国である現状を踏まえ、コカイン取引と消費の合法化を主張しています。「コカインはウイスキーほど有害ではない」という発言は物議を醸しましたが、コカイン合法化によって世界のコカイン産業を解体できると主張しています。

その他の政策

ペトロ大統領は、医療・年金改革など、様々な政策を打ち出していますが、議会の抵抗などにより、実現は困難な状況です。

家族

3度の結婚歴があり、現在の妻との間に2人の娘がいます。

グスタボ・フランシスコ・ペトロ・ウレゴは、激動の時代を生き抜き、コロンビアの歴史を大きく変えようとしている人物として、今後も注目を集めるでしょう。

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