グッドババ

グッドババ：香港を舞台に輝いた名馬と慈善家の物語

グッドババ（Good Ba Ba）は、アメリカ合衆国で生まれ、香港を主戦場として活躍した競走馬です。その名は広東語で「良き父」を意味し、馬名の通り、その生涯は華々しい競走成績と並行して、大きな社会貢献活動でも彩られました。

2004年12月、2歳馬として香港インターナショナルセールに出場し、170万香港ドルで落札されると、香港での競走生活がスタートします。初期はシャティン競馬場を舞台に活躍し、着実に勝利を重ねていきます。3歳時の香港ダービーでは惜しくも8着に終わりましたが、その後、アンドレアス・シュッツ厩舎に移籍。

2007年シーズンは大きな転機となります。チェアマンズトロフィーで重賞初勝利を飾ると、勢いに乗って香港マイルを制覇。G1競走初制覇を成し遂げます。続く香港スチュワーズカップ、クイーンズシルヴァージュビリーカップも制覇し、G1競走3連勝の快挙を達成しました。そして、チャンピオンズマイルでは、力強い末脚でアルマダを差し切り、G1競走4勝目を挙げ、重賞5連勝という偉業を達成します。この活躍により、2007/2008シーズンの香港年度代表馬（香港馬王）に選出され、「最優秀マイラー」と「最高人気馬」の称号も手にしました。

しかし、グッドババの活躍は香港にとどまりません。安田記念への遠征も経験し、日本の競馬ファンにもその名を刻みました。日本での成績は振るわなかったものの、香港での活躍は衰えることなく、2008/2009シーズンも香港マイル、スチュワーズカップを制覇し、香港の競馬界を代表する名馬としての地位を確固たるものにしました。

2009/2010シーズンには、香港マイルで3連覇を達成するなど、その実力を改めて証明します。しかし、その後はドバイ遠征で思うような結果を残せず、2010/2011シーズンは不振に終わり、競走馬登録を抹消されました。

競走生活引退後、グッドババはオーストラリアへと渡り、リック・ホア＝レイシー厩舎に移籍。2013年、スタンディッシュハンデキャップに出走しましたが、その後、引退を迎えることとなりました。

グッドババは、優れた競走馬であっただけでなく、大きな社会貢献活動でも知られています。2008年、オーナーの意向により、「グッドババ基金」が設立され、獲得賞金の70％が慈善事業に充てられました。四川大地震の被災者への支援や、北京オリンピックの馬術競技への支援など、数々の寄付活動を行い、その温かい心遣いは多くの人々の心に響きました。

グッドババの物語は、競走馬としての成功と社会貢献を両立させた、まさに「良き父」に相応しい人生でした。その輝かしい実績と慈善活動は、後世に長く語り継がれるでしょう。

主な勝ち鞍:
香港スチュワーズカップ (2007, 2008)
クイーンズシルヴァージュビリーカップ (2007)
香港マイル (2007, 2008, 2009)
チャンピオンズマイル (2008)
チェアマンズトロフィー (2007)
国際マイルトライアル (2007)

受賞歴:
2007/2008シーズン 香港馬王
2007/2008シーズン 最優秀マイラー
* 2007/2008シーズン 最高人気馬

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