グッドモーニング・バビロン!

映画『グッドモーニング・バビロン!』の魅力

『グッドモーニング・バビロン!』（原題：Good Morning, Babylon）は、1987年に制作されたイタリア、フランス、アメリカ合衆国の合作映画です。この映画は、映画史に名を刻むD・W・グリフィスの超大作『イントレランス』のセット建設に参加したイタリア人兄弟の物語を描いています。また、この作品は第40回カンヌ国際映画祭に特別招待作品として上映されており、1987年の第61回キネマ旬報ベスト・テン外国映画部門で第一位を獲得するなど、数々の賞に輝きました。

あらすじ

1913年、イタリアのトスカーナ地方で、美しいロマネスク様式の大伽藍を手がけていた建築職人ボナンノは、膨れ上がった借金が原因で家業をたたむ決断を迫られます。彼の積年の苦労と技術を引き継ぐ末息子であるニコラとアンドレアは、修行名目でアメリカに渡ることになります。しかし、彼らは新天地で思い通りにいかず、困惑する日々を送ります。そんな時、サンフランシスコ万国博覧会に参加するイタリア人建築家たちに出会い、兄弟はその一行に紛れ込みます。

万博では、当時注目を浴びていた映画監督D・W・グリフィスが、彼の次作『イントレランス』のためにイタリア館の建設を指示します。ニコラとアンドレアは、共に棟梁としてハリウッドに向かうことになり、そこで美しいエキストラ、エドナとメイベルと出会います。彼女たちとの交流を通じて、2人は次々と無名の仕事をこなしていきながら、父の描いた“奇跡の聖堂”のイメージを呼び起こす印象を作り上げていきます。

その努力が実を結び、グリフィスに認められた兄弟は出世を果たします。そして兄ニコラはエドナと、弟アンドレアはメイベルとの愛を育むことになり、結婚に至ります。しかし、彼らの幸福な日々は短く続かず、第一次世界大戦の影が彼らの生活にも忍び寄ります。戦争の不穏な空気は、夢見る若者たちに暗い影を落とし、物語は運命の波に翻弄されることとなります。

キャスト

• - ニコラ：ヴィンセント・スパーノ
• - アンドレア：ジョアキム・デ・アルメイダ
• - エドナ：グレタ・スカッキ
• - メイベル：デジレ・ベッケル
• - ボナンノ：オメロ・アントヌッティ
• - D・W・グリフィス：チャールズ・ダンス

この映画は、夢を追い求めてアメリカに渡った若きイタリア人兄弟の感動的な旅を描いています。文化の衝突や新たな環境への適応、そして戦争という厳しい現実に直面する姿は、観る者に深い感動を与えます。友愛や愛情、苦難を乗り越える力を描いた本作は、時代を超えて多くの人々に感銘を与える映画です。

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