グッド・アズ・アイ・ビーン・トゥ・ユー

『グッド・アズ・アイ・ビーン・トゥ・ユー』（Good as I Been to You）は、ボブ・ディランが1992年にリリースした28枚目のスタジオ・アルバムです。このアルバムは、1964年の『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』以来となる、全編アコースティック・[[ギター]]弾き語りというスタイルで制作されました。特筆すべきは、収録曲が全てトラディショナル・フォークソングのカバーであるという点です。ボブ・ディランが自作の楽曲を一切含めずにアルバムを制作したのは、このアルバムが初めてです。

ディランはこれらのトラディショナル・フォークソングに独自の解釈を加え、編曲を行っています。彼のルーツであるフォークミュージックへの深い愛情と、卓越したギターテクニックが存分に発揮された作品と言えるでしょう。シンプルな構成ながらも、ディランの独特な歌声とギターの音色が、各楽曲の魅力を最大限に引き出しています。

このアルバムは、アメリカのBillboard 200チャートで最高51位、全英アルバムチャートで最高18位を記録しました。日本では、オリコン週間アルバムランキングで最高50位を記録しています。これらのチャート成績からも、このアルバムが世界中の多くの音楽ファンに支持されたことがわかります。

アルバムの収録曲は、全て伝統的なフォークソングで、ボブ・ディラン自身が編曲を手掛けています。CDとLP盤の構成は同一です。

収録曲

1. "Frankie & Albert"
2. "Jim Jones"
3. "Blackjack David"
4. "Canadee-i-o"
5. "Sittin' on Top of the World"
6. "Little Maggie"
7. "Hard Times"
8. "Step It Up and Go"
9. "Tomorrow Night"
10. "Arthur McBride"
11. "You're Gonna Quit Me"
12. "Diamond Joe"
13. "Froggie Went A-Courtin'"

クレジット

ボブ・ディラン - ボーカル、ギター、ハーモニカ
デビー・ゴールド - プロデューサー
ミカジャ・ライアン - レコーディング・エンジニア、ミキシング・エンジニア
スティーブン・マーカソン - マスタリング
* ジミー・ワクテル - カバー写真

アルバムのプロデュースはデビー・ゴールドが担当し、レコーディングとミキシングはミカジャ・ライアンが担当しました。マスタリングはスティーブン・マーカソンが手掛け、ジャケットのカバー写真はジミー・ワクテルが撮影しています。これらのスタッフによって、ディランのアコースティックギターの音色が最大限に活かされています。また、ディラン自身の歌声とハーモニカも、このアルバムの重要な要素です。

『グッド・アズ・アイ・ビーン・トゥ・ユー』は、ボブ・ディランが自身のルーツに回帰し、トラディショナル・フォークソングの魅力を再発見した作品として、非常に重要な位置を占めています。彼のキャリアの中でも、異彩を放つこのアルバムは、ディランの音楽性を深く理解する上で欠かせない一枚と言えるでしょう。

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