グッバイガール

グッバイガール (The Goodbye Girl)

『グッバイガール』は、1977年に公開されたアメリカのロマンティック・コメディ映画で、ハーバート・ロスが監督を務めました。この作品の主演にはリチャード・ドレイファスとマーシャ・メイソンが名を連ねており、舞台はマンハッタンの活気ある下町です。

あらすじ

物語はニューヨークのアパートから始まります。ダンサーのポーラ（マーシャ・メイソン）は、同棲していた役者トニーが映画のオーディションのために家を出て行ったことを知ります。ポーラは再び男性に捨てられたことに失意を抱いていました。「もう役者とは関わりたくない」と思いつつも、彼女と幼い娘ルーシー（クィン・カミングス）は帰宅しました。その瞬間、トニーの友人であるエリオット（リチャード・ドレイファス）が突然やってきます。彼はトニーの部屋を譲り受けた役者仲間で、意図せずして同居生活が始まります。

エリオットは舞台役者であるため、ポーラは彼に対して警戒心を抱くものの、やがて生活を共にする中でお互いの存在を受け入れざるを得なくなります。しかし、ポーラの心の中には過去の男たちへの失望が大きく影を落としていました。ところが、彼女の娘ルーシーはエリオットとすぐに打ち解け、特別な絆を築きます。

エリオットの舞台公演は予想以上の不出来で、新聞の批評にさらされることになります。失意に陥ったエリオットの姿に、ポーラは思わず彼を介抱し、徐々に彼への気持ちが変わることに気付くのです。勘違いやトラウマからお互いに反目しあっていた彼らですが、難しい状況の中で協力しながら生活を続けていきます。

恋の行方

それからしばらくして、仕事が見つからないポーラに求愛するエリオット。最初は驚いて拒絶するポーラですが、エリオットの優しさや人間性に次第に惹かれていく姿が描かれます。そのタイミングで、エリオットのもとに映画監督からシアトルでの出演依頼が入ります。エリオットは大喜びしますが、ポーラは複雑な心情を抱え、彼を送り出す決意をします。

主な受賞歴と影響

リチャード・ドレイファスは本作でアカデミー賞主演男優賞とゴールデングローブ賞を受賞し、その演技は広く評価されています。また、映画のテーマソング『グッバイガール』を作詞・作曲し、さらに歌ったデヴィッド・ゲイツは、1970年代に活躍したバンド「ブレッド」のリーダーでもあり、彼の楽曲は多くの人々に親しまれています。この映画は1993年にブロードウェイでミュージカル化され、その後1996年から日本でも数回にわたって上演されています。

『グッバイガール』は、単なる恋愛物語を超えて、愛と成長、親子の絆を描いた作品として、多くの人々に愛され続けています。

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