グラウベ・フェイトーザ

グラウベ・フェイトーザ：極真の怪物、K-1の舞台を駆け抜けたブラジルの英雄

グラウベ・アラウージョ・フェイトーザ（Glaube Araújo Feitosa）は、1973年4月9日生まれのブラジル出身の空手家であり、元キックボクサーです。極真空手三段の腕前を持ち、「極真の怪物」という異名で知られています。磯部清次を師とし、フランシスコ・フィリォを先輩、エヴェルトン・テイシェイラを後輩に持つ、名門の系譜を受け継ぐ人物です。

極真からK-1へ

虚弱体質だった少年時代、父の勧めで極真会館ブラジル支部の門を叩き、磯部清次の指導を受けました。当初は柔軟運動にも苦労しましたが、持ち前の才能と努力で頭角を現し、数々の大会で実績を残します。

1995年：第6回全世界空手道選手権大会 8位入賞
1999年：第7回全世界空手道選手権大会 4位入賞
2003年：第8回全世界空手道選手権大会 4位入賞

1998年にはK-1に参戦。当初はK-1ルールへの適応に苦しみましたが、徐々にその才能を開花させていきます。長身から繰り出す変幻自在の蹴り技、特にブラジリアンキックは彼の代名詞となり、数々の強豪をマットに沈めました。

K-1での活躍

K-1では、マイク・ベルナルド、佐竹雅昭といった強豪との対戦を経て、着実に実力をつけていきました。2005年にはK-1 WORLD GP 2005 IN LAS VEGAS USA GPで優勝し、GPへの出場権を獲得。同年、K-1 WORLD GP 2005では準優勝という輝かしい成績を収めました。

武蔵との激闘や、セミー・シュルトとの死闘は、今もなお語り草となっています。2006年にはルスラン・カラエフをKOで下し、ピーター・アーツとの激戦を繰り広げ、2008年にはバダ・ハリの持つヘビー級タイトルに挑戦するなど、常にK-1の最前線で活躍しました。

ブラジリアンキック：魔性の軌道

グラウベの代名詞とも言えるブラジリアンキックは、独特の軌道を描く変則的なハイキックです。蹴り上げる軌道の途中で軸足を返すことで、蹴り脚の背足（足の甲）を相手の頭部に落下させます。まるでサッカーのドライブシュートのように相手の側頭部のガードを乗り越えて命中するため、防御が困難です。

身長212cmの巨漢王者セミー・シュルトをダウン寸前に追い込んだことでも知られ、スピード、威力、そして演武のような華麗なフォームは、見る者を魅了しました。

引退、そしてその後

数々の激闘を繰り広げたグラウベは、2009年に現役引退を表明。家族との時間を大切にしたいという思いが、その決断を後押ししました。引退後も、格闘技界への貢献を続け、後進の育成に力を注いでいます。

2022年には、極真会館松井派から除名処分を受けましたが、彼の格闘技界における功績は色褪せることはありません。

戦績

K-1 WORLD GP 2005 準優勝
K-1 WORLD GP 2006 第3位
K-1 WORLD GP 2005 IN LAS VEGAS USA GP 優勝
第7回、第8回全世界空手道選手権大会　4位

人物像

グラウベは、腕に極真会館のロゴをモチーフにしたタトゥーを入れています。普段は真面目で穏やかな性格で、相手を挑発するようなことはありません。家族を大切にする心優しい人物として知られています。

得意技

ブラジリアンキック（クビゲリ）
膝蹴り
踵落とし

グラウベ・フェイトーザは、その強烈な個性と卓越した技で、K-1の歴史に名を刻んだ偉大な格闘家です。彼の残した功績は、これからも多くの人々に語り継がれていくでしょう。

もう一度検索