グラス・ルイス

グラス・ルイスとは

グラス・ルイス（Glass Lewis）は、アメリカを拠点とする主要な議決権行使助言会社の一つです。2019年の春時点で、ミューチュアル・ファンド向け助言サービスの市場シェアは28%に達し、業界で第2位に位置しています。このランキングの第一位は、競合のISS（Institutional Shareholder Services）です。グラス・ルイスの影響力は、機関投資家向けの株主投票に関する調査や推奨サービスを通じて、企業のガバナンスに強い影響を及ぼしています。

サービス内容

グラス・ルイスが提供する主なサービスには、機関投資家向けの株主投票の調査や推奨が含まれます。これにより、参加者が投票管理や報告を効率的に行えるデジタルプラットフォームも整備されています。多くの投資家は、グラス・ルイスのアドバイスに従い、企業の経営方針に対する投票を行うため、彼らの意見や助言は企業ガバナンスに対する重要な指針となります。

歴史と成長

グラス・ルイスは2003年にアメリカのサンフランシスコで設立されました。その後、ニューヨーク、ワシントンD.C.、カンザスシティ、さらには海外のアイルランド、ドイツ、オーストラリアにもオフィスを構え、国際的に事業を展開しています。2006年には、シドニーを拠点とする委任状アドバイザリー会社であるコーポレート・ガバナンス・インターナショナル（CGI）を買収し、その後CGIグラス・ルイスというブランド名を名乗るようになりました。

また、2008年にはワシントンD.C.に本社を持つ政治・経済アドバイザリー会社のワシントン・アナリシスを買収し、政治、立法、規制の動向が金融市場に与える影響について分析を行っています。このように、グラス・ルイスはさまざまな会社を取り込み、成長を続けています。

2015年には、ドイツの独立系プロバイダーであるIVOX GmbHを買収し、機関投資家向けのプロキシー・アドバイザリーおよびガバナンス・サービスを強化しました。このような拡張により、グラス・ルイスのサービスはより広範囲にわたる投資家ニーズに応えることが可能となっています。

所有構造の変遷

グラス・ルイスは2021年3月までオントリオ・ティーチャーズ・ペンション・プランおよびアルバータ・インベストメント・マネジメント・コーポレーションといった大手機関の所有下にありました。しかし、同年3月、プライベート・エクイティ・ファームのPeloton Capital Managementと金融サービスの起業家であるStephen Smithが、これらの機関からグラス・ルイスを買収しました。この取引により、同社は新たな成長のステージに進むことになります。

グラス・ルイスは、今後も議決権行使の支援に注力し、企業ガバナンスにおける重要なプレイヤーとしての地位を確立していくことでしょう。

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