グランデ・ラッコルド・アヌラーレ

グランデ・ラッコルド・アヌラーレ（Grande Raccordo Anulare, GRA）は、イタリアの首都ローマを環状に取り囲むように走る、全長68.2kmの無料高速道路（アウトストラーダ）です。ローマ市民にとって、この環状道路は日常的な移動に欠かせない存在であり、「イル・ラッコルド（接続路）」という愛称で広く親しまれています。

名称の由来

「グランデ・ラッコルド・アヌラーレ」という名称は、「環状大接続路」を意味します。しかし、この名称は後付けで考案されたもので、道路の建設を推進した主要人物の一人であるエウジェニオ・グラ（Eugenio Gra）にちなんで、頭文字がGRAとなるように名付けられました。当時、彼はANAS（国立道路公社）の議長であり、イタリアにおける道路行政の権威でした。

高速道路としての正式な番号はA90と定められていますが、この番号が使われることはほとんどありません。道路標識にもA90の表示は見当たらず、一般的には「GRA」や「イル・ラッコルド」として認識されています。日本においては、「ローマ環状線」や「ローマ環状高速道路」といった名称で紹介されることがあり、東京の環状高速道路になぞらえて「外環高速道路」と表現されることもあります。

道路の特徴

GRAは、ローマとその周辺地域を結ぶ重要な交通インフラとして機能しています。全線が無料で開放されており、市民の通勤や物流を支える大動脈となっています。環状道路であるため、ローマ市内の各所へのアクセスが容易であり、特にラッシュ時には交通量が非常に多くなります。

この道路は、ローマ近郊の様々な道路と接続しており、アウトストラーダ（高速道路）だけでなく、市内の幹線道路や地方道への乗り換えも可能です。そのため、ローマだけでなく、周辺地域へのアクセスも便利になっています。また、環状道路であるため、市街地を通過せずに目的地へ移動できるという利点もあります。

その他

GRAは、交通インフラとしての役割だけでなく、文化的な側面も持ち合わせています。2013年には、この環状道路を舞台にしたイタリア・フランス合作映画「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」が制作されました。この映画は、GRAを生活の舞台とする人々の様々な人生模様を描いており、ローマの社会や文化を深く理解するための重要な作品となっています。

GRAは、ローマの発展と共に歩んできた、なくてはならない存在です。今後も、ローマとその周辺地域の交通を支え続ける重要なインフラとして、その役割を果たし続けるでしょう。

関連情報

アウトストラーダ: イタリアの高速道路網に関する情報。
ローマ環状線、めぐりゆく人生たち: 2013年の映画に関する情報。

外部リンク

* ANAS: イタリア国立道路公社の公式サイト。

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