グランドスラム (雑誌)

グランドスラム (雑誌)

小学館が発行する、社会人野球を専門に扱う定期刊行物である。日本野球連盟の公認を受けており、「アマチュアベースボールオフィシャルガイドブック」として位置づけられている（秋号では「イヤー」が省略される場合がある）。本誌の編集は小学館が、監修は日本野球連盟がそれぞれ担当している。

刊行の経緯と現状

通常、野球関連の雑誌はベースボール・マガジン社が多数手がけているが、意外にも社会人野球に特化した専門誌は存在しなかった。こうした背景のもと、1993年に小学館のスポーツスペシャル企画として創刊されたのが本誌である。創刊当初は刊行頻度が一定せず、様々な変遷を経てきたが、現在では春と秋の年2回発行体制に落ち着いている。雑誌名でなく、創刊からの通巻号数で呼ばれるのが特徴で、例えば2011年春号は37号と表記された。本誌は一般書店に加え、社会人野球の主要な大会が開催される球場でも販売されている。

春号

毎年3月末から4月中旬にかけて発売される春号の最大の魅力は、社会人野球の主要チームに所属する選手の詳細な名鑑が網羅されている点にある。全国を見渡しても、これほどまでに充実した社会人野球選手名鑑を掲載する雑誌は他に類を見ないため、シーズン中の観戦には必携の一冊とされている。かつては特定の条件を満たしたチームや、都市対抗野球・日本選手権大会出場チームなどが1ページで紹介され、それ以外の企業チームは半ページといった掲載方法だった時期がある。また、都市対抗や日本選手権の優勝・準優勝チームなどは巻頭カラーで掲載されたこともあった。しかし、企業チームの減少といった社会人野球を取り巻く環境の変化に伴い、現在では企業チームだけでなく、掲載を希望するクラブチームも含め、多くの掲載チームが1ページから2ページで詳細に紹介される形に変わってきている。選手名鑑に加え、前年の秋季に開催された社会人野球日本選手権大会の総括記事も掲載されるが、その扱いは秋号における都市対抗野球のレビューほど大きくはない。近年では、3月上旬に実施されるJABA東京スポニチ大会のレビューも収録される傾向にある。

秋号

毎年10月中旬から下旬にかけて刊行される秋号の目玉は、社会人野球界最大のイベントである都市対抗野球大会と、全日本クラブ野球選手権大会の全試合詳細レビューである。熱戦の模様に加え、優勝監督インタビューなども収録される。また、その後に開催される社会人野球日本選手権大会に向けた注目チームや選手の展望記事も掲載される。

その他

原則として年2回の刊行サイクルであるが、過去には例外も存在する。例えば、2003年に札幌で開催された第22回アジア野球選手権大会（長嶋茂雄監督率いる日本代表が出場した通称「札幌決戦」）を前に、通常の刊行スケジュールとは別に臨時増刊号（通巻22号）が発行されたことがあった。

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