グランプリ・イラストレイテッド

グランプリ・イラストレイテッドは、日本のモータースポーツ雑誌の一つであり、特にロードレース世界選手権（WGP）を専門に扱った定期刊行物です。世界のトップライダーたちが繰り広げる熱戦の模様を、日本国内のファンに向けて詳細に伝えました。

月刊誌としての時代

本誌の歴史は、まず月刊誌として始まりました。1985年7月に創刊号が発行され、ロードレースの世界を深く掘り下げた記事や写真が掲載されました。創刊当初は、グランプリ出版が発行元となり、編集業務はヴェガインターナショナルが手掛けていました。編集長は坪内隆直氏が務め、WGPの最新情報やレース分析、ライダーへのインタビューなど、多角的な視点からモータースポーツの魅力が紹介されていました。

日本のモータースポーツファンにとって、海外で開催されるWGPの情報を得る貴重な媒体であり、多くの読者に支持されました。

この月刊誌版は、1989年1月発行の第40号をもって、その定期刊行としての役割を一旦終えることとなります。

年刊誌（年鑑）への移行

月刊誌の終刊後、グランプリ・イラストレイテッドは形式を変えて存続しました。1989年版からは年刊誌、すなわち年鑑として再出発することになったのです。

この移行に伴い、発行元も変更されました。年鑑版はエキスプレスより刊行されました。編集は月刊誌時代と同様にヴェガインターナショナルが引き続き担当したと考えられます（参考文献情報より）。

年鑑版は『グランプリ・イラストレイテッド年鑑』という名称で刊行され、その副題には「バイクレース総合写真年鑑」と銘打たれていました。このことから、年間を通じて開催されたWGPをはじめとするロードレースの模様を、迫力ある写真を中心に構成した内容であったことがうかがえます。特定の年の総括として、シーズン全体の流れや主要な出来事、各レースの結果などが網羅されていたと考えられます。

定期刊行物としては、月刊誌から年刊誌へと形態を変えながらも、一貫してロードレース世界選手権に焦点を当て、日本のモータースポーツ文化に貢献した雑誌と言えるでしょう。

関連出版物

本誌に関連する出版物として、1987年にはグランプリ出版より『サーキットの軌跡』が刊行されています。この書籍は、中沖満氏、ピーター・クリフォード氏、そしてグランプリイラストレイテッド編集部が著者に名を連ねており、本誌の編集体制が他の書籍制作にも関与していたことを示しています。

このように、グランプリ・イラストレイテッドは、月刊誌、年刊誌、そして関連書籍といった形で、ロードレース世界選手権に関する専門的な情報を日本のファンに提供し続けた重要な媒体でした。

参考文献

ヴェガインターナショナル著・編集『グランプリ・イラストレイテッド年鑑』〈バイクレース総合写真年鑑〉、エキスプレス。
『グランプリ・イラストレイテッド』（月刊誌）、グランプリ出版。
* 中沖満、ピーター・クリフォード、グランプリイラストレイテッド編集部『サーキットの軌跡』（初版）グランプリ出版、1987年1月26日発行。ISBN 978-4906189564。

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