グラーツ包囲戦

グラーツ包囲戦 (1760年)

グラーツ包囲戦は、七年戦争中の1760年6月から7月にかけて、エルンスト・ギデオン・フォン・ラウドン率いるオーストリア軍が、プロイセン領シュレージエンの要衝グラーツを包囲し、最終的に占領した戦闘です。この戦いは、七年戦争における数多くの戦闘の一つであり、戦略的に重要な意味を持っていました。

包囲に至るまでの経緯

1760年6月6日、ラウドン率いるオーストリア軍はグラーツを包囲しました。しかし、包囲を本格化させるには、モラヴィア地方のオルミュッツから重砲を運び込む必要がありました。その間、ハインリヒ・アウグスト・ドゥ・ラ・モット・フーケ率いるプロイセン軍がグラーツ救援のために接近しているという情報がラウドンのもとに届きます。

ラウドンは、グラーツ救援に向かうプロイセン軍を迎え撃つため、一部の兵力を派遣します。そして、6月23日、ランデスフートにおいてフーケ率いるプロイセン軍との間で激戦が繰り広げられ、結果としてラウドン率いるオーストリア軍がフーケ率いるプロイセン軍を打ち破り、フーケ自身を降伏させることに成功しました。

グラーツ包囲戦の展開

フーケ率いるプロイセン軍を打ち破ったことで、ラウドンはグラーツ包囲に全力を注ぐことができるようになりました。オルミュッツから重砲が到着すると、7月20日に本格的な包囲戦が開始されます。オーストリア軍は、グラーツ要塞に対して入念に塹壕を掘り進め、重砲による砲撃を敢行し、守備兵力を徐々に弱体化させていきました。

砲撃によって要塞の防御が弱まると、オーストリア軍は要塞への強襲を敢行し、激しい戦闘の末、ついに城門を突破することに成功します。これにより、オーストリア軍はグラーツ要塞を占領し、プロイセン軍を撤退させることに成功しました。

包囲戦のその後

1760年の七年戦争における数々の戦闘を経た後、オーストリア軍が占領を維持できた領土はグラーツのみでした。他の地域においては、戦況は前年とほとんど変わらず、膠着状態が続きました。グラーツのプロイセン軍指揮官であったバルトロメウス・ドーは捕虜となり、戦後に釈放されましたが、プロイセン王フリードリヒ2世によって軍法会議にかけられ、処刑されるという悲劇的な結末を迎えました。

参考文献

Szabo, Franz A.J. (2008). The Seven Years War in Europe, 1757-1763. Pearson.
Dull, Jonathan R. (2005). The French Navy and the Seven Years' War. University of Nebraska Press. ISBN 0-8032-1731-5.

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