グリクアズ

南アフリカ共和国、北ケープ州の主要都市キンバリーを本拠地とするラグビーユニオンクラブ、それがグリクアズです。同国最高峰の国内リーグ、カリーカップに参戦しています。

概要

グリクアズは、南アフリカ国内に14存在するラグビー地域協会のうち、西グリクアランド協会の代表チームとしての顔も持ちます。その創設は古く、ウェスタン・プロヴィンスに次ぐ国内で二番目の歴史を誇るクラブです。西グリクアランド協会は、北ケープ州全域を管轄しています。

カリーカップの歴史においても重要な役割を担っており、1892年に開催された記念すべき第1回大会に出場した5チームの一つに名を連ねています。また、かつて開催されていた国内大会であるボーダコムカップでは、歴代最多タイとなる5度の優勝を達成しています。

歴史

チームのルーツは1886年、当時のイギリス領であったケープ植民地の西グリクアランド地方に、グリクアランド・ウェスト協会の名で設立されたことに遡ります。

創設から間もない1889年には、カリーカップの前身にあたる地域協会対抗の全国大会「ボードトロフィー」が、本拠地キンバリーで開催されました。グリクアランド・ウェストは、ウェスタン・プロヴィンス、トランスヴァール、イースタン・プロヴィンスといった有力チームと共に、この歴史的な大会に参加しています。

チームの歴史における特筆すべき出来事として、1891年のブリティッシュ・ライオンズ（現在のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ）南アフリカ遠征が挙げられます。グリクアランド・ウェストは7月20日に彼らと対戦し、惜しくも0対3で敗れましたが、南アフリカ側のチームの中で最も優れたプレーを見せたと高く評価されました。この称賛に応える形で、ブリティッシュ・ライオンズから「カリーカップ」という名のカップがチームに贈られたのです。この出来事が契機となり、カリーカップは南アフリカ国内で最も優れたラグビーチームに贈られる栄誉あるトロフィーとなり、今日の国内最高峰選手権「カリーカップ」の創設へと直接的につながっていきました。

翌1892年、そのキンバリーの地で記念すべき第1回カリーカップが開催されました。グリクアランド・ウェストは、ウェスタン・プロヴィンス、トランスヴァール、ナタール、ボーダーと共に初期を代表する5チームとして参加。この初回大会はウェスタン・プロヴィンスが優勝を飾っています。

19世紀末の1899年、アングロ・ボーア戦争への緊張が高まる中、ウェスタン・プロヴィンスやトランスヴァールといった有力チームが大会への参加を見送る異例の事態が発生しました。これにより、初回大会から続いていたウェスタン・プロヴィンスの5連覇がストップ。予期せぬ展開の中、グリクアランド・ウェストがチーム史上初のカリーカップ優勝を果たしました。

その後、1911年に二度目のカリーカップ制覇を達成しますが、それから1970年までの長きにわたり、タイトルからは遠ざかる雌伏の時を過ごしました。1970年に三度目の優勝を飾るまで、実に59年間タイトルから遠ざかっていたことになります。

そして、2000年にはチーム名をグリクアランド・ウェストから現在の「グリクアズ」へと正式に改称しています。

近年の動向としては、2020年にCOVID-19パンデミックにより国際リーグであるスーパーラグビーが中断された影響で、南アフリカ国内での代替大会「スーパーラグビー・アンロックト」が急遽開催されました。グリクアズは、普段スーパーラグビーでしのぎを削る強豪、ブルズ、ストーマーズ、シャークス、ライオンズといったトップチームと共に、この大会に出場を果たしています。

タイトル

（2022年7月現在）

カリーカップ
優勝3回：1899年、1911年、1970年

ボーダコムカップ
優勝5回：1998年、2005年、2007年、2009年、2014年（歴代最多タイ記録）

歴代所属選手

グリクアズには、南アフリカ代表「スプリングボクス」や他国の代表として国際舞台で活躍した著名な選手も数多く在籍していました。代表的な選手としては、ヨハン・アッカーマン、ウィリー・ルルー、ヴィクター・マットフィールド、ルーハン・ネル、ローアン・キッツォフなどが挙げられます。また、7人制南アフリカ代表として活躍したニール・パウエルや、スコットランド代表となったカイル・ステインなどもグリクアズでプレーしています。

長い歴史の中で、多くの才能ある選手がこのクラブで研鑽を積み、国内外の舞台へと羽ばたいていきました。

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