グリードパケット∞

グリードパケット∞

『グリードパケット∞』（グリードパケットアンリミテッド）は、漫画家・榎宮祐による日本の漫画作品です。2008年から『電撃「マ）王』（アスキー・メディアワークス）で連載が開始されましたが、2011年8月号から長期休載となっています。

概要

本作は、作者にとって2作目の長期連載作品であり、携帯電話から魔法をダウンロードして使用する「携帯使い」と、異形生命体「幻想」との戦いを描いた作品です。

前作『エアリセ』との関連も示唆されており、『エアリセ』に登場したキーワードである「月」や「幻想」などが、本作でも重要な要素として登場します。

また、登場人物の名前は、携帯電話の端末メーカー名など、携帯電話に関連するものが由来となっています。

ストーリー

舞台は近未来。人類は「幻想」と呼ばれる化け物の脅威にさらされていました。人類はそれに対抗するため、「異界幻想機構（ゼノリアルネットワーク）」という、携帯電話で魔法をダウンロードできるシステムを構築します。そして、幻想には賞金が懸けられるようになり、賞金目当てに幻想を倒す「携帯使い」が現れるようになりました。

主人公は、数多いる携帯使いの中でも最高クラスの実力を持ちながら、周囲に甚大な被害をもたらすため「カラミティ・ステップ（災厄の足跡）」として忌み嫌われるカシオと、彼が魔法で作り出した妹であり弟のノキア。「この世は金がすべて」と言い切るカシオは、今日も賞金のため、ノキアと共に幻想を倒し続けます。

登場人物

カシオ
声 - 櫻井孝宏
本作の主人公。7月7日生まれの20歳。強欲、強さ、そして周囲への迷惑行為で知られる携帯使いです。幻想退治の腕は確かですが、戦闘の度に周囲を巻き込んで盛大に破壊するため、ノキアとのコンビは「幻想よりも厄介」と言われるほどです。
金にがめついですが、弟妹であるノキアには非常に優しく、ノキアの維持費を「はした金」と言ったり、ノキアを侮辱した相手には殺意を抱くなど、大切に思っています。
「金以外に三次元の女に魅力はない」と言い切る二次元愛好家で、ノキア曰く「真性ロリ」です。
過去にはケイスとコンビを組んでおり、幻想を殺すためには手段を選ばず、人間さえ排除していたため、「殺幻鬼（デスマキナ）」と呼ばれていました。
物語開始時点で、ノキアと共に億越えの幻想を70体以上倒しています。
5歳の時に故郷を幻想に滅ぼされ、6歳で携帯使いとなってからは各地を転々としながら生活していたため、その生活術はもはや事業と化しています。
お化けが苦手という意外な一面も持ち合わせています。
名前の由来は、カシオ計算機から。

ノキア
声 - 田村ゆかり
7月7日生まれの2歳（設定年齢10歳）。カシオが魔法で作り出した妹…であり、弟です。カシオと同じく携帯使いです。
アホ毛とトリプルテール、両腰に生えた羽が特徴的な、設定年齢相応の少女の姿をしていますが、具現化の際のカシオの設定ミスにより、二重人格かつ二重性別になってしまっています。頭を叩くことで人格が反転します。
男である表ノキアは、素直にカシオを「お兄ちゃん」と慕う犬っ子で優しい性格ですが、嫉妬深い一面も持ち合わせています。女である裏ノキアは、ツンデレで暴力的な性格で、カシオを「犬」「駄犬」（内心では「お兄ぃ」）と呼びます。
お互いの存在を認識しており、2人で会話したり、自身で頭を叩いて入れ替わったりする場面も見られます。
その存在の維持は全てカシオのグリードフォンで行われているため、カシオはノキアを具現化するだけで、月に6000万円ものパケット代を支払う必要があります。
元々は2年前、「世界を作り替える程の力を持つ討伐不可能な幻想」の攻撃からカシオを庇い、討伐出来ないはずの幻想を倒した存在です。カシオ自身はノキアに対し「暇潰し」に作ったと説明しています。
名前の由来は、ノキアから。

ケイス
眼鏡を掛けた女性。対幻機動隊の職員で、階級は主任。プロフィールは明らかにされていませんが、ヘビースモーカーです。
元はカシオとコンビを組んでいたようですが、何らかの理由で決別した模様で、カシオからは「裏切り者」と呼ばれています（本人は否定）。
名前の由来は、KES（現：アスモ）から。

ソニィ・エリクシオン
声 - 豊崎愛生
カシオとノキアも使用している携帯電話メーカー、エリクシオングループの会長の一人娘。彼女が破格の条件でカシオとノキアに幻想退治を依頼したことから、物語が始まります。
最終的には、カシオとノキアの通信料や街の破壊の後始末のため、財産を全て差し押さえられ、父親に2000億円もの借金を背負ってしまいます。借金返済が終わるまで家を追い出されることになり、現在は聖フランシス女学園の庭にテントを張って、セラと暮らしています。
借金返済のために携帯使いとなり、後に「ファンシーディザスター」と呼ばれる、カシオとノキアに並び称される迷惑な携帯使いとなることが暗示されています。
主要人物の中では一番の巨乳で、コミックス4巻のカバー下でネタにされています。
名前の由来は、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズから。

セラ・ケイ
声 - 福山潤
エリクシオン家の執事であり、ソニィの世話を任されています。
ソニィに対して過保護であり、煙たがられています。
常に柔和な笑顔を絶やしませんが、実際は冷酷で、携帯使いを「社会の底辺」、カシオを「害虫」、ノキアを「化け物」などと辛辣な言葉を浴びせます。
ソニィの父に雇われたことや、ソニィに付き従うことにも裏事情がある様子です。
主に銃を具現化させる魔法を使用し、億単位の賞金額である幻想を撃破できるほどの腕前を持ちます。また、右目の眼帯を外した状態で、カシオとノキア、ケイスの3人を倒しましたが、その能力の詳細は不明です。
名前の由来は、京セラから。

パンテック・カルテル
声 - 杉田智和
27歳。聖フランシス女学園の化学教諭。「我輩」という一人称を使い、語尾に「〜ぞな」を付けるなど、独特な話し方をします。
名前の由来は、パンテック&キュリテルから。

プリケ
声 - 日笠陽子
聖フランシス女学園の生徒。未来予知・占い魔法に傾倒しており、「未来は既に決まっている」と考えています。

用語・設定

魔法
携帯電話で異界幻想機構（ゼノリアルネットワーク）からダウンロードし、端末のカメラを通して現実を書き換えるシステムです。携帯使いが使うような大規模な魔法は、データ量が膨大なため、高額なパケット通信量が発生します。そのため、一般人は安価で簡素な魔法しか使えません。

グリードフォン
通常は携帯電話の電波が届かない場所でも魔法が使用可能な万能通信端末です。対幻機動隊のメンバーや、限られた人物しか所持していません。

幻想
異界幻想機構（ゼノリアルネットワーク）から出現する化け物の総称です。人間を無差別に攻撃し、一定時間で消滅、核（コア）を破壊されると消えるという特徴を持ちますが、詳細は不明です。

書誌情報

コミックス：全4巻

ドラマCD

音楽祭もアンリミテッド：コミックス第4巻特装版の付録
ノキアとソニィとプリケの番外編 どきっ女だらけのお風呂トーク：電撃マ王1月号の付録

外部リンク

pixel phantom（作者の公式サイト）
榎宮祐「グリードパケット∞」特設ページ - 電撃マ王

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