グリーンバス

東村山市コミュニティバス「グリーンバス」は、東京都東村山市が主体となって運行する地域密着型のバス路線網です。2003年 1月21日にその歴史をスタートさせ、現在に至るまで市内の主要な交通手段の一つとして親しまれています。運行開始当初は西武バスと銀河鉄道が共同で運行を担っていましたが、2014年 6月1日からは西武バス小平営業所が単独で運行を受託しています。特に銀河鉄道にとっては、このグリーンバスの運行経験が、その後の乗合バス事業へ本格的に進出するきっかけとなったという歴史的な側面も持っています。

運行ルート

グリーンバスは主に東村山駅を拠点とし、以下の4つの系統で運行されています。各路線は市民の日常生活における移動ニーズに応えるため、病院、学校、駅などを結んでいます。

東村山駅東口 - 多摩北部医療センター - 新秋津駅
多摩北部医療センターを経由し、東村山駅東口から新秋津駅間を結ぶ主要ルートです。
一部便は多摩北部医療センター止まりとなります。
市役所停留所は平日日中のみ経由します。
久米川町循環
東村山駅東口を起終点とする循環路線で、久米川町周辺を巡回します。
諏訪町循環
東村山駅西口を起終点とする循環路線で、諏訪町周辺を巡回します。2010年 4月1日に東村山駅西口発着に変更されました。
東村山駅西口 - 富士見町四丁目 - 久米川駅南口
2016年 9月1日に実証運行として開始され、2017年 9月1日からは正式な路線として運行されています。東村山駅西口と久米川駅南口を結び、富士見町を経由します。

なお、毎年12月29日から翌年1月3日までの年末年始期間は全線で運行を休止します。

沿革

グリーンバスの歴史は、度重なる路線の新設や変更、運行体制の見直しを経て現在の形に至っています。

2003年 1月21日: 東村山駅東口 - 新秋津駅間で運行開始。西武バスと銀河鉄道が共同で運行を開始しました。
2008年2月17日: 久米川町循環および諏訪町循環が新設され、路線網が拡大しました。同時に既存の東村山駅東口 - 新秋津駅ルートの経路や時刻も変更されました。
2010年 4月1日: 諏訪町循環の発着地が東村山駅西口に変更され、経路が見直されました。また、久米川町循環と諏訪町循環の時刻も改正されました。
2014年 6月1日: 運賃が改定され、交通系ICカード（PASMO・Suicaなど）の利用が可能となりました。この運賃改定とICカード導入に合わせて、運行事業者が西武バスの単独となり、銀河鉄道はグリーンバスの運行から撤退しました。運賃は西武バスの多摩地区での初乗り運賃と同額の180円（現金）に引き上げられ、収支率の改善と公平性の確保が図られました。
2015年 6月1日: グリーンバス専用の一日乗車券の販売が開始されました。
2016年 9月1日: 東村山駅西口 - 富士見町四丁目 - 久米川駅南口間での試験的な運行が始まりました。
2017年 9月1日: 前年より行われていた東村山駅西口 - 久米川駅南口間の試験運行が好評を得て、正式な路線として運行されることになりました。

運賃について

運賃体系は全線均一制で、乗車時に運賃を支払います。

大人運賃: 現金180円、ICカード178円です。
小児運賃: 大人の半額となります。未就学児は保護者1名につき2名まで運賃が無料です。

2014年 6月1日からはPASMOやSuicaといった主要な交通系ICカードが利用できるようになりました。これにより、乗降時の利便性が向上しています。

各種障害者手帳を提示することで運賃割引が適用されます。ただし、東京都シルバーパスは利用できません。また、西武バスの金額式IC定期券やIC一日乗車券「1DayPass」なども利用対象外です。

独自の乗車券として、グリーンバス専用の回数券と一日乗車券が販売されています。回数券は1,000円で12枚綴り（額面90円券が12枚）となっており、車内や西武バス小平営業所で購入可能です。一日乗車券は500円で、車内で乗務員から直接購入できます。この一日乗車券は2015年から導入され、バス車両と東村山市の公式キャラクター「ひがっしー」がデザインされた紙式のものです。

長期休暇期間（ゴールデンウィーク、夏休み、冬休み、春休み）には、現金で支払う小児運賃に対して割引が適用されるサービスも実施されています。

使用車両

現在、グリーンバスの運行に使用されている車両は、日野自動車製の小型ノンステップバス「ポンチョ」に統一されています。これらの車両はグリーンバス専用のカラーリングが施されており、車体ラッピングのデザインや色合いは路線によって異なります。

東村山駅 - 新秋津駅系統や久米川町循環には、比較的定員が多いポンチョのロングボディが使用されています。
* 諏訪町循環や東村山駅西口 - 久米川駅南口路線には、小回りの利くポンチョのショートボディが主に用いられています。運行開始当初は予備車として使用されていましたが、現在は専用車両が増備されています。

ノンステップ車両への置き換えは、西武バスでは2007年から、銀河鉄道では2012年から進められました。2014年に西武バス単独運行となった際、銀河鉄道が所有していたグリーンバス専用車両も西武バス小平営業所へ移籍しています。

運行開始当初の2003年には、西武バスと銀河鉄道ともに、日野自動車製の小型バス「リエッセ」のCNG（圧縮天然ガス）仕様車が使用されていました。これらのリエッセはステップリフト付きで車椅子にも対応しており、専用の塗装が施されていました。CNGへの改造は専門業者によって行われています。車両点検などで専用車両が使用できない場合は、西武バスはリエッセの一般路線塗装車を、銀河鉄道はリエッセの一般路線車や場合によっては中型バス（日産ディーゼルRM）を代走として運用することもありました。

グリーンバスは、これらの車両を用いて東村山市内の公共交通ネットワークの一翼を担い、市民の生活を支える重要な役割を果たしています。

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