ノンステップバス

ノンステップバスについて

ノンステップバスは、日本において段差をなくし円滑な乗降を実現した低床バスのことを指します。正式には国土交通省によって認定された標準仕様に基づいて設計され、主に都市部での用于において高齢者や障害者が利用しやすい公共交通機関として進化してきました。

車両の特徴

ノンステップバスでは、車両の出入口の高さを270mm以下に設定し、乗降時の段差を極力排除しています。このため、歩道とバスの乗降口の間に大きな段差が生じず、誰でも簡単に乗り降りが可能です。また、多くのバスはエアサスペンションを採用し、「ニーリング機能」が備わっているため、乗降時に車高を下げて段差をさらに減らします。

このバスの車体は、国産の大型・中型車両が主流ですが、特に2010年代半ば以降、新たに登場した車両では中扉の床が反転することで使用される反転式スロープが標準装備として採用されるようになりました。大きな特徴として特に小型ノンステップバスでは着脱式のスロープが主流となっています。

歴史と進化

ノンステップバスは日本での最初の導入が1963年に行われ、近鉄バスが2階建てバス「ビスタコーチ」を改造したものがその始まりです。その後、1985年に三菱自動車が初めて本格的なノンステップバスを試作し、低床化に成功しました。*
このバスの普及は2000年以降の交通バリアフリー法の制定により加速し、現在では多くの都市で導入されています。

2004年には国土交通省が「標準仕様ノンステップバス」の認証制度を開始し、各メーカーが同様の基準に従ってバスを生産するようになりました。そのため、ノンステップバスは今後も進化を続け、より利用しやすい公共交通機関を目指しています。

導入傾向

日本国内におけるノンステップバスの台数は、交通バリアフリー法の制定以降急増しました。2020年には29,489台に達し、全国の乗合バスのうち50%を超える導入率を記録しています。しかし、経営が厳しい地方のバス会社では導入が進まないことも多く、特にランキング上位に位置する鳥取県（92.4%）、東京都（89.8%）、愛知県（88.5%）と比べ、福岡県の37.6%などのように地域差があることが確認されています。

また、日本市場での電動バスの導入も進んでおり、特に2021年にBYDの大型電動バス「K8」が認定を取得したことを筆頭に、2024年度にはいすゞの電動フルフラットバス「エルガEV」も発表されています。

結論

ノンステップバスは、日本における公共交通機関の重要な進化の一環として位置付けられており、今後もさらなる技術革新と普及が期待されます。高齢者や障害者にも配慮された設計は、多くの人々にとって移動の利便性を高める要素となるでしょう。

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