グリーンポート駅

グリーンポート駅

グリーンポート駅は、アメリカ合衆国ニューヨーク州サフォーク郡グリーンポート村に位置する、ロングアイランド鉄道（LIRR）の重要なターミナル駅です。この駅は、LIRRの本線の一部であるグリーンポート支線の終着駅として機能しています。公式な所在地はウィギンス・ストリートと4丁目の交差点付近とされていますが、その敷地は東側へと広がり、3丁目やシェルター島へ渡るノース・フェリー・ターミナルに近いエリアまで及んでいます。

歴史

グリーンポート駅は、1844年7月29日にLIRRの主要路線の終点としてその歴史を開始しました。当時から、この地をさらに東へ延伸し、クロスサウンド桟橋まで線路をつなげたいという業界内の期待が存在していました。

しかし、開業から約四半世紀後の1870年7月4日、町の祭りの最中に発生した火災により、駅舎は残念ながら焼失してしまいました。それでも、迅速な対応により同年10月には再建が完了し、再び利用できるようになりました。

現在の位置には、1892年（一部の文献では1894年とも言われています）に新たな駅舎が建設されました。この駅舎には、当初、切符売り場に壮麗な張り出し窓が設けられていましたが、これは1920年代に取り外されています。また、駅構内には機関車を整備するための車庫があり、その奥には蒸気機関車を転車台を使って方向転換させるための設備もありましたが、後に石炭置き場へと転用されました。

鉄道の運営も時代の流れとともに変化していきました。蒸気機関車による牽引は1955年6月5日をもって終了し、より近代的な方式へと移行しました。また、駅での郵便物の取り扱いも1965年に廃止されています。かつて延伸が期待された桟橋への列車運行も、1978年をもって終了となりました。

グリーンポート駅とその歴史的な関連施設は、その重要な価値が認められ、1989年7月20日には、駅舎、貨物庫、そして旧転車台の敷地を含む一帯が、アメリカ合衆国国家歴史登録財として国定歴史地区に登録されました。これは、この駅が地域の鉄道史において果たした役割の大きさを物語っています。

2000年から2001年にかけて、駅には近代化に向けた改修が行われました。シェルター島フェリーへの乗り換えをより便利にするため、高床式の島式ホームが新たに設置されました。この高床化は、ロングアイランド島内の多くの駅で実施された、乗降を容易にするための改良工事の一環です。

現在、かつての貨物置き場として使用されていた建物の一部は、ロングアイランド鉄道博物館の展示施設として活用されており、鉄道の歴史を伝える場となっています。また、歴史ある旧駅舎自体は、East End Seaport Maritime Museumとして利用されており、地域の海の歴史や文化に関する展示が行われています。これにより、駅は単なる交通施設としてだけでなく、地域の歴史と文化を保存し伝える拠点としても重要な役割を担っています。

駅構造

グリーンポート駅は、線路の両側に沿って利用できる島式ホームを1面備えています。このホームは、通常、列車1両半分の有効長を持っています。駅構内には、この地点で本線が3本の線路に分かれています。

グリーンポート駅は、ロングアイランド鉄道の終点としての機能に加え、その長い歴史と歴史遺産としての価値、そして地域の博物館として再活用されている点において、特別な存在感を放っています。

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