グリーンリング (潜水艦)

グリーンリング（USS Greenling, SS-213）

グリーンリングはアメリカ海軍に所属する潜水艦で、ガトー級の第2艦です。艦名はカムチャツカからカリフォルニアまで広がるアイナメ科の魚にちなみます。この艦は「グレイリング」（USS Grayling, SS-209）と名が似ているため、時折混同されることがありました。

艦歴と運用

起工から就役まで

グリーンリングの起工は1940年11月12日、コネチカット州グロトンのエレクトリック・ボート社にて行われました。1941年9月20日に試験的に進水し、1942年1月21日にニューロンドンで艦長ヘンリー・C・ブリュトン少佐（アナポリス1926年組）の指揮のもと、正式に就役しました。訓練を完了した後、3月7日に太平洋へ向け出航し、4月3日には真珠湾に到着しました。

第1の哨戒（1942年4月 - 6月）

初めての哨戒任務では、マーシャル諸島やカロリン諸島地域に派遣されました。4月20日に出発し、最初の敵艦とは4月30日に遭遇。しかし、攻撃は失敗に終わりました。その後、攻撃機会を得るも多くは失敗に終わり、最終的には一隻の特設巡洋艦を沈めることに成功しました。この間、特に第五航空戦隊の空母に対するいくつかの攻撃が試みられましたが、結果的には大きな成果を得られませんでした。

第2の哨戒（1942年7月 - 9月）

7月10日から行われた第2回目の哨戒では、トラック諸島の封鎖任務に参加しました。数隻の商船や輸送船を攻撃し、特設運送船を沈める成果を収めましたが、敵艦艇の攻撃を受けたり、攻撃が困難な状況も多かったようです。

第3の哨戒（1942年9月 - 11月）

続いての哨戒では、日本本土近海での哨戒任務が主な目的となりました。いくつかの輸送船を沈める成果を挙げる一方で、敵艦との接触があったものの攻撃に至らなかったケースもありました。

第4の哨戒（1942年12月 - 1943年1月）

この期間の哨戒は、トラック諸島とソロモン諸島地域に焦点を当てました。沈没させた船の中には、陸軍の輸送船も多数含まれ、成功を収めました。敵からの攻撃も受けましたが、艦は大きな損害を免れました。

第5および第6の哨戒（1943年2月 - 7月）

これらの哨戒任務はもっぱら通常の監視活動やスパイの上陸支援などが中心となり、悪天候も影響してあまり戦果を挙げることができませんでした。

第7の哨戒（1943年7月 - 9月）

再びソロモン諸島へ向かった第7回目の哨戒では、アメリカ海兵隊の部隊を上陸させ、戦略的なレーダー基地の設置が行われました。

第8および第9の哨戒（1943年12月 - 1944年5月）

これらの哨戒でも、敵の輸送船団を攻撃し、成果を上げました。特に第9哨戒では、マリアナ諸島での偵察任務が成功し、それに続く戦闘に貢献しました。

第10および第11の哨戒（1944年7月 - 11月）

再び海域の哨戒を行い、魚雷攻撃や敵艦の発見などの任務を果たしました。特に、11回目の哨戒ではいくつかの輸送船を撃沈しました。

第12の哨戒（1944年12月 - 1945年1月）

1945年初頭に行われた最後の哨戒任務では、日本近海での哨戒中に大きな攻撃を受け、艦は被害を受けるも逃げることに成功しました。その後、帰投し長い修理期間を経て1946年に退役を迎えました。

戦後の活動

「グリーンリング」は戦後、再び海軍に戻り、予備役兵の訓練に従事しました。その後、1960年に退役し、その年に解体されました。この艦は数多くの戦績から10個の従軍星章を受章し、その功績を讃えられました。

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