グルデ

グルデ：ボスニア・ヘルツェゴビナの歴史と文化が息づく町

グルデ（クロアチア語: Grude）は、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦の西ヘルツェゴビナ県に位置する町であり、その中心となる基礎自治体です。豊かな自然と多様な歴史が織りなす、魅力的な地域です。

地理

グルデは、モスタルから49km、イモツキから19km、スプリトから100kmと、主要都市へのアクセスが良い場所に位置しています。カルスト地形が特徴で、多くの洞窟や独特の石が見られます。豊かな自然に恵まれ、水源も豊富です。

歴史

先史時代から中世

グルデ周辺地域における人々の生活は、先史時代にまで遡ります。ドリノヴチにあるラヴリチ洞窟からは、新石器時代後期の生活跡が発見されています。この地域は古代ローマ時代には、重要な商業中心地を結ぶ街道が通っていました。ゴリツァ地区での最近の考古学的発見により、古代ローマ人の大規模な集落が存在したことが確認されています。中世の巨大な墓石であるステチュツィは、グルデ自治体内の至る所で見ることができます。地理的な好条件、温暖な気候、豊富な天然資源に恵まれ、中世末期にはオスマン帝国の拡大と征服を経験しました。長年のオスマン支配の影響は、地域の言葉や伝統に今も残っています。

現代

オスマン帝国支配後、グルデはオーストリア＝ハンガリー帝国の支配下に入りました。短い移行期には、学校やインフラが建設されましたが、近代化は遅れていました。投資不足による貧困から、多くの人々がザグレブ、ダルマチア、ドイツなどへ出稼ぎに行きました。現在では、中小企業の展開も見られ、ヴィオテラ製紙工場が町最大のブランドとなっています。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争時には、ヘルツェグ＝ボスナ・クロアチア人共和国やクロアチア防衛評議会などの軍事組織が創設され、ユーゴスラビア軍に対抗する拠点となりました。紛争やその後の苦難を乗り越え、グルデは文化と経済の復興に向けて歩んでいます。

村落

グルデ自治体には、以下の村落が含まれます。

Blaževići
Borajna
Donji Mamići
Dragičina
Drinovačko Brdo
Drinovci
Gorica
Grude
Jabuka
Puteševica
Ružići
Sovići
Tihaljina

人口動態

1971年

合計: 19,203人
クロアチア人: 19,111人 (99.52%)
セルビア人: 32人 (0.16%)
ボシュニャク人: 4人 (0.03%)
ユーゴスラビア人: 5人 (0.02%)
その他: 55人 (0.30%)

1991年

1991年の国勢調査では、グルデ自治体の人口は16,358人でした。

クロアチア人: 16,210人 (99.09%)
セルビア人: 9人 (0.05%)
ボシュニャク人: 4人 (0.02%)
ユーゴスラビア人: 5人 (0.03%)
その他: 130人 (0.79%)

グルデ市街の人口は3,528人で、ほぼクロアチア人で構成されています。

交通

グルデは、スラヴォンスキ・ブロド - プロチェ、モスタル - スプリトを結ぶ2つの幹線道路の交差点に位置しています。M-6線や地域の道路も通っています。

R 420: グルデ - シロキ・ブリイェグ - モスタル
R 421: ソビチ - クロブク

スポーツ

グルデには、以下のスポーツクラブがあります。

サッカー: HNK Grude, NK Drinovci
男子バスケットボール: HKK Grude
女子バスケットボール: ŽKK Grude

姉妹都市

スルニ（クロアチア）
バルディッセーロ・トリネーゼ（イタリア）

著名人

ラファエル・ボーバン - 軍人
マテ・ボバン - 政治家
ミルコ・マリッチ - サッカー選手

グルデは、その豊かな歴史と文化、美しい自然を通じて、訪れる人々を魅了し続けています。

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