グレイハウンド (映画)

映画『グレイハウンド』解説

『グレイハウンド』（原題：Greyhound）は、2020年に公開されたアメリカの戦争映画です。C・S・フォレスターの小説『駆逐艦キーリング』（The Good Shepherd）を原作とし、トム・ハンクスが脚本と主演を務めています。

あらすじ

物語は第二次世界大戦中の大西洋、1942年を舞台に展開します。37隻の船団HX-25がリヴァプールへ向かう中、アーネスト・クラウス中佐（トム・ハンクス）が艦長を務める駆逐艦USSキーリングは、護衛戦隊「グレイハウンド」の一員として船団護衛の任務に就きます。

しかし、船団は「ブラックピット」と呼ばれる、航空援護の届かない危険な海域に突入。そこはUボート（ドイツ潜水艦）の跳梁跋扈する海域でした。クラウスは初の実戦指揮というプレッシャーの中、次々と襲い来るUボートの脅威に立ち向かいます。僚艦と連携し、ソナーを駆使して敵を追跡、爆雷を投下して撃沈していきます。しかし、Uボートの攻撃は激しさを増し、船団は危機に瀕していきます。果たしてクラウスは、船団を無事に目的地まで送り届けることができるのでしょうか。

作品の特徴

史実に基づいたリアリティ

映画は、第二次世界大戦における大西洋の戦いをリアルに描いています。Uボートの脅威、護送船団の苦難、そして駆逐艦乗組員の緊張感などが、迫真の映像と音響で再現されています。

トム・ハンクスの脚本と演技

トム・ハンクスは脚本も担当し、主人公クラウスの心理描写を丁寧に描き出しています。初陣の重圧に苦しみながらも、指揮官としての責任を果たそうとするクラウスの姿を、ハンクスは卓越した演技で表現しています。

スピーディーな展開と緊迫感

映画は、Uボートとの戦闘シーンを中心に、スピーディーな展開で描かれています。息もつかせぬアクションシーンと、常に死と隣り合わせの緊張感が、観る者を惹きつけます。

キャスト

アーネスト・クラウス：トム・ハンクス（江原正士）
チャーリー・コール：スティーヴン・グレアム（花輪英司）
ジョージ・クリーヴランド：ロブ・モーガン（喜山茂雄）
* イヴリン：エリザベス・シュー（佐々木優子）

製作の背景

トム・ハンクスが長年温めていた企画であり、綿密なリサーチと考証に基づいて製作されました。撮影には、実際に使用された駆逐艦が使用され、リアリティを追求しています。

公開と評価

当初は劇場公開予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、Apple TV+での配信となりました。批評家からは、史実に基づいた描写、トム・ハンクスの演技、そしてスピーディーな展開などが評価されました。

まとめ

映画『グレイハウンド』は、第二次世界大戦の激戦地、大西洋を舞台に、護送船団を護衛する駆逐艦の戦いを描いた作品です。トム・ハンクスの熱演と、迫力ある映像、そして緊迫感あふれるストーリー展開で、観る者を飽きさせません。戦争映画ファンはもちろん、手に汗握るドラマを求める方にもおすすめです。

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