グレムリン2 新・種・誕・生

『グレムリン2 新・種・誕・生』は、1984年の大ヒット作『グレムリン』の続編として1990年に公開されたアメリカ映画です。前作から引き続き、主人公ビリーは、今回はニューヨークの超高層ビル「クランプ・センター」で働いています。このビルを所有する不動産王ダニエル・クランプは、チャイナタウン再開発を計画しており、そのために大規模な破壊工事を開始しようとしていました。

ビリーは、クランプ・センターで、案内係として働く恋人のケイトと共に働いています。そんな中、研究所で発見されたモグワイのギズモが、クランプ・センターに持ち込まれます。ギズモは研究材料にされそうになりますが、ビリーに助け出されます。しかし、ビリーが不在の間に、ギズモは水を浴びてしまい、そこから大量のグレムリンが誕生してしまいます。

瞬く間にグレムリンたちはビルを占拠し、大混乱に陥ります。前作を上回る個性豊かなグレムリンたちが登場し、それぞれの特殊能力でビル内を大暴れします。中には、スパイダーモホークや、空を飛ぶバット、野菜人間ベジタブルなど、想像を絶する姿のグレムリンも存在します。また、電気の素を取り込んだエレキは、電話回線の中を移動し、様々な悪事を働きます。

グレムリンたちは、ビリーとケイト、そしてクランプ・センターで働く人々を次々と襲います。クランプは当初、ビリーの話に懐疑的でしたが、グレムリンの被害を目の当たりにしたことで、ビリーに協力を申し出ます。一方、ビリーは、前作でグレムリン騒動を経験した近所の農夫マレー・ファッターマン夫妻にも協力を求めます。

グレムリンたちの中でも特に残忍なリーダー格、モホークは、ギズモを執拗にイジメますが、最後はギズモの反撃にあい命を落とします。様々な騒動の末、ビリーたちは、スプリンクラーを作動させることでグレムリンの大部分を水攻めで倒すことに成功します。しかし、生き残ったグレムリンもおり、その中には、女性化したグレムリンのガールがいます。

本作では、様々な映画やキャラクターのパロディが随所にちりばめられています。例えば、冒頭シーンはバッグス・バニーのアニメーションで始まりますし、劇中には『ランボー』などの映画がテレビで放映されています。また、グレムリンたちの行動やセリフにも、多くの映画作品からのオマージュが見て取れます。

登場人物も個性豊かです。クランプは、ドナルド・トランプをモデルにしたキャラクターであり、彼の現金な性格がコミカルに描かれています。また、クランプ・ケーブル・ネットワークの司会者グランパ・フレッドは、ドラキュラ伯爵に扮したホラー映画番組の司会者で、この騒動を生中継しようとします。さらに、カメラ小僧のカツジは、フレッドと共に騒動を生中継するカメラマンとして活躍します。

ビリーの上司マーラ・ブラッドストーンは、当初ビリーに厳しく接していましたが、クランプがビリーを評価すると態度を一変させます。そして、ビリーの活躍とクランプの評価によって、物語の終盤でクランプと恋に落ちるという展開を見せます。

『グレムリン2 新・種・誕・生』は、前作よりもスケールアップした騒動と、より多くの個性豊かなグレムリン、そしてパロディ満載の展開が魅力の作品です。前作を知っていればより楽しめる部分も多いですが、初めて観る人でも楽しめる、エンターテイメント性豊かな作品と言えるでしょう。劇場公開版とVHS版では、グレムリンたちが映画を乗っ取る劇中劇の展開が異なっているという点も、興味深い要素となっています。

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