グレン・グリーンウォルド

グレン・グリーンウォルド（Glenn Edward Greenwald）は、1967年3月6日生まれのアメリカ人ジャーナリスト、弁護士、作家です。彼は、ニュースサイト『ザ・インターセプト』の創立編集者であり、ブラジル在住で、同性愛者であることを公表しています。パートナーはデビッド・ミランダです。

経歴

ニューヨークで生まれたグリーンウォルドは、ジョージ・ワシントン大学を卒業後、ニューヨーク大学・ロー・スクールで法律を学びました。1994年には、憲法と市民権を専門とする弁護士として、大手法律事務所に就職しましたが、1996年に独立しています。

2005年、彼はブログを始め、中央情報局（CIA）や国家安全保障局（NSA）に関する記事で注目を集めるようになりました。特にNSAの無令状盗聴を厳しく批判し、大きな議論を呼びました。

2007年からは『salon.com』に寄稿、その後2012年8月に『ガーディアン』に移籍しました。『ガーディアン』では、編集部の校閲を経ずに記事を掲載できる契約でしたが、法的な問題やジャーナリズムの観点から問題のある記事については、事前協議が必要でした。

エドワード・スノーデンとの接触

2012年12月1日、エドワード・スノーデンはNSAの内部告発のため、グリーンウォルドに接触を試みました。スノーデンは「キンキナトゥス」という偽名を使って連絡を取り、盗聴の危険を避けるためにPGPの使用を求めましたが、グリーンウォルドは多忙を理由にこれに対応しませんでした。スノーデンはその後、ドキュメンタリー作家のローラ・ポイトラスに連絡先を切り替えました。

2013年4月18日、ポイトラスから匿名の内部告発メールの存在を知らされ、グリーンウォルドは初めてスノーデンの告発に触れました。当初、グリーンウォルドは告発内容が本物かどうか確信が持てませんでしたが、パートナーのミランダが内容の信憑性を確信したため、本格的に調査を始めることを決意しました。ポイトラスの仲介で、オンライン秘話通話ソフトを使い、初めてスノーデンと直接会話しました。

スノーデンは、香港への渡航を要求し、グリーンウォルドはまずいくつかの内部文書を確認しました。そこで、改めてPGPなどのセキュリティソフトのインストールを求められ、インストール後、PRISMなどの文書を受け取りました。その内容の重大さに、グリーンウォルドは『ガーディアン』の組織的なサポートが必要だと判断し、香港に向かうことになりました。しかし、『ガーディアン』は自社の記者、ユーウェン・マカスキルを同行させることを要求し、ポイトラスはこれに反対しましたが、最終的には3人で香港に向かうことになりました。

スノーデンの告発とその後

2013年6月3日、香港のホテルでスノーデンと面会し、彼の氏名を知りました。その日、5時間のインタビューを行い、連日インタビューを重ねました。まず、ベライゾン・コミュニケーションズに関する記事を発表し、その後、スノーデンが実名を公表する手筈を整えました。ポイトラスが『ワシントン・ポスト』にも情報を提供しましたが、同紙はなかなか記事にしませんでした。そのため、グリーンウォルドは『ガーディアン』に早期の報道を働きかけました。しかし、『ガーディアン』は顧問弁護士の反対により、すぐには記事を発表しようとしなかったため、グリーンウォルドは他のメディアへの寄稿も検討しましたが、最終的に6月6日に第一報が公開されました。

『ザ・インターセプト』の創刊と辞任

2014年初頭、グリーンウォルドは新たなニュースサイト『ザ・インターセプト』を共同創刊しました。しかし、2020年10月30日、彼は民主党の大統領候補であったジョー・バイデンに関する記事を巡り、『ザ・インターセプト』編集部と対立しました。記事の一部がバイデンに批判的であるとして、編集部が削除を求めたため、グリーンウォルドは『ザ・インターセプト』とその親会社を辞任しました。

編集長のベッツィー・リードは、グリーンウォルドの検閲主張に反論し、彼の行動を非難しました。

著書

グリーンウォルドは、スノーデンとの関係やNSAの監視活動に関する著書『暴露 スノーデンが私に託したファイル』を出版しています。

結論

グレン・グリーンウォルドは、そのジャーナリズムを通じて、政府の監視活動や権力構造に疑問を呈し続けています。彼のスノーデンに関する報道は、世界中に大きな衝撃を与え、現代ジャーナリズムにおける重要な出来事として記憶されています。

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