グレープ (ユニット)

グレープ: さだまさしと吉田正美のフォークデュオ

グレープは日本のフォークデュオで、さだまさしと吉田正美（現・政美）の二人によって1972年に結成されました。彼らは同年代の高校生の時に友人を通じて知り合い、音楽活動の道に進むこととなりました。当初、プロの音楽活動を考えていなかった彼らでしたが、少しずつその道を歩んでいくことになります。

デビュー前の活動

さだはアマチュア・バンド「フライング・ファンタジー」のリーダーを務めており、吉田は「レディ・バーズ」のリーダーでした。1970年に二人を含むバンドがヤマハ・ライト・ミュージック・コンテストに挑戦しましたが、予選落ち。プロを目指さぬままの活動が続きました。

しかし、さだは肝炎を患い、1972年に一度長崎に帰郷。その際、吉田と再会し、意気投合した二人は、同年11月にデュオグループを結成しました。グループ名は吉田が提案した「グレープ」に決まり、そのまま彼らの音楽活動がスタートしました。

人気への道

グレープは、長崎放送との繋がりを持ち、初コンサートを自主開催。その後、1973年にデビュー曲「雪の朝」をリリースするも初動は鈍かったのですが、1974年の「精霊流し」によって一気にブレイクします。この楽曲は後に第16回日本レコード大賞作詩賞を受賞し、彼らの名を広めるきっかけとなりました。

その後も「追伸」、「ほおずき」、そして「無縁坂」などをリリースし、特に「無縁坂」は大ヒットとなります。さだは作詞作曲も手がけ、彼の楽曲は多くのファンに支持されました。彼らの楽曲は単なるフォークに留まらず、さまざまな音楽ジャンルが融合したものとなっています。特に、さだのヴァイオリンと吉田のジャズ・ギターが奏でる独自の音楽性は、今も多くの人々に影響を与えています。

解散とその後

1976年、さだは再び肝炎を患い、精神的な疲れもあり解散を決意しました。解散の理由として、彼らの楽曲が聴衆に与えたイメージや意図の食い違いを指摘し、コンサートにてさだは「精霊流し、無縁坂、縁切寺ときたらあとは墓場しかない」と語っています。実質的には1976年3月に活動を終えましたが、最終的な公演は4月の文化放送でのラジオ番組でした。

解散後、さだまさしはソロアーティストとして成功を収めました。「関白宣言」や「道化師のソネット」などのヒット曲を生み出し、幅広い活動を展開しています。一方、吉田正美は音楽プロデューサーとして転身し、多くのアルバム制作に携わりました。

再結成と進化

解散から15年後の1991年、彼らは「レーズン」という名前で再結成し、新しいアルバムをリリース。この際、グレープの名を用いずレーズン名義となったのは、年月を経てしなびた葡萄、つまりレーズンになったという洒落心が込められています。その後も、たびたび二人でのライブやコンサートに参加し、2003年からはさだのコンサートにゲストとして登場しています。

最近では、2022年に結成50周年を迎え、さまざまな形でライブ活動を行っています。また、2023年には47年ぶりのオリジナルアルバムもリリースし、なおも健在であることを示しました。彼らの音楽とともに歩んできた歴史は、今も多くのファンに愛され続けています。

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