グロリア 永遠の青春

『グロリア 永遠の青春』 (Gloria Bell)

作品概要

2018年にアメリカとチリの合作として公開された映画『グロリア 永遠の青春』は、セバスティアン・レリオが監督を務め、ジュリアン・ムーアとジョン・タトゥーロが主演を務めたドラマ作品です。この映画は、レリオ監督自身が2013年に発表したチリ映画『グロリアの青春』をハリウッドでリメイクしたもので、離婚や子育てを終え、再び自由な独身生活を送るアラフィフ女性の姿を描き出しています。特に、主人公を演じたジュリアン・ムーアの演技は高い評価を受け、「キャリアベスト」と称賛されました。

ストーリー

夫との別れを経て、グロリア・ベルはロサンゼルスで独身としての人生を謳歌していました。昼間は事務の仕事に打ち込み、夜になるとダンスクラブへと足を運び、賑やかな時間を過ごしていました。ある夜、グロリアは魅力的な男性、アーノルドと出会います。二人はすぐに惹かれ合い、関係を深めていきます。グロリアはこの新たな恋に生きる喜びを見出しますが、アーノルドが前の妻との関係を完全に断ち切れていないことに気づき、心穏やかでない日々を過ごすことになります。彼女は、アーノルドとの関係を通して、自身の幸せや自立について深く向き合うことになります。

主要キャスト

グロリア・ベル：ジュリアン・ムーア（離婚経験のある中年女性）
アーノルド：ジョン・タトゥーロ（離婚経験のある中年男性）
ピーター：マイケル・セラ（グロリアの息子、育児中）
ダスティン・メイソン：ブラッド・ギャレット（グロリアの元夫）
ヒラリー・ベル：ホランド・テイラー（グロリアの母親）
アン：カレン・ピストリアス（グロリアとダスティンの娘）

製作背景

本作の企画は、2017年5月にセバスティアン・レリオ監督が『グロリアの青春』のリメイク版製作の意向を表明したことから始まりました。この時点で、ジュリアン・ムーアが主演候補として報じられています。その後、同年11月にはカレン・ピストリアスとジョン・タトゥーロの出演が決定し、さらにショーン・アスティンやタイソン・リッターといったキャストも加わりました。映画音楽はマシュー・ハーバートが担当し、サウンドトラックは2019年3月にミラン・レコーズより発売されています。

公開と興行成績

映画は2018年9月7日、第43回トロント国際映画祭で初めて上映されました。全米配給権はA24が獲得し、2019年3月8日にまずは全米5館での限定公開が始まりました。初週末には1館あたり2万9043ドルを稼ぎ出し、好調なスタートを切ります。同年3月22日には公開規模が654館へと拡大され、週末興行収入ランキングで8位にランクインするなど、順調に興行収入を伸ばしました。

批評家からの評価

『グロリア 永遠の青春』は、公開されるや否や批評家から広く絶賛されました。映画批評集積サイトRotten Tomatoesでは、206件のレビューに基づき、91%という高い支持率と平均7.5/10点を記録しています。同サイトの要約では、「斬新な映像表現と細部にまでこだわったストーリーテリングは、ジュリアン・ムーアの見事な演技によって支えられている」と、主演女優の貢献が特に強調されています。また、別の批評サイトMetacriticでも、40件のレビューで加重平均値79/100という高得点を得ており、その質の高さが証明されています。

まとめ

本作は、人生の転換期を迎えた女性が、自身のアイデンティティや幸福を再発見しようとする姿を、リアルかつ共感的に描き出しています。主演ジュリアン・ムーアの円熟した演技は、観る者に深い感動と勇気を与えます。

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