グロリア (1999年の映画)

概要



1999年に製作されたアメリカ合衆国アクション映画『グロリア』は、名匠シドニー・ルメットがメガホンを取り、シャロン・ストーンが主演を務めた作品です。本作は、1980年に公開されたジョン・カサヴェテス監督・脚本、ジーナ・ローランズ主演の同名映画のリメイク版にあたります。オリジナル版の持つ緊迫したムードを受け継ぎつつ、時代や設定の一部に変更を加えることで新たな息吹を吹き込もうと試みられています。

ストーリー



物語は、マフィアの組織の秘密を偶然手にした少年が追われる身となり、一人の女性と出会うことから始まります。オリジナルの設定とは異なり、本作ではマフィアの会計士である父親から組織の不正に関する情報が記録されたフロッピーディスクを託された少年が主人公となります。彼は父親が組織によって殺害される現場に居合わせ、辛くも難を逃れます。

一方、主人公である女性グロリアは、恋人の身代わりで刑務所での服役を終え、社会へ戻ってきたばかりです。彼女は過去の因縁からマフィアと関わりがあり、図らずもマフィアから逃走中の少年ニッキーと遭遇します。オリジナル版では少年の母親から託される形で逃避行が始まりますが、本作ではグロリアが偶然その場に居合わせたニッキーを人質にする形でその場を脱出したことが、二人の逃亡劇のきっかけとなります。二人は互いに反発しながらも、強大なマフィア組織の追跡から逃れるため、危険な逃避行を続けることになります。

オリジナル版ではマフィアのボスとグロリアの元恋人が同一人物として描かれていましたが、リメイク版ではこの二つのキャラクターが分離されており、物語の展開や人間関係に新たな要素が加えられています。また、マフィアの秘密が記録された媒体も、時代の変化に合わせてオリジナル版の「手帳」から「フロッピーディスク」に変更されるなど、細部が現代風にアレンジされています。

主要キャスト



グロリア: シャロン・ストーンが演じます。恋人のために服役し、出所したばかりのタフな女性。刑務所では名の知られた存在だったようです。かつては喫煙していましたが、収監中に禁煙したという過去を持ちます。
ニッキー: ジーン・ルーク・フィゲロアが演じる少年。マフィアの会計士の息子で、父親から組織の秘密が詰まったフロッピーディスクを託されます。天然パーマが特徴で、喘息の持病があります。
ケヴィン: ジェレミー・ノーサムが演じる、グロリアの元恋人でありマフィアの幹部。グロリアが身代わりで服役する原因となった人物です。
ルビー: ジョージ・C・スコットが演じるマフィアのボス。組織の秘密を握るニッキーを執拗に追います。オリジナル版とは異なり、グロリアの元恋人とは別の人物として描かれています。
ショーン: マイク・スターが演じるルビーの組織の冷酷な殺し屋。目的のためには躊躇せず、ニッキーの家族を容赦なく抹殺します。
ブレンダ: ボニー・ベデリアが演じるグロリアの姉。長らくグロリアとは疎遠で関係は良好ではありません。危険を伴うグロリアからの助けの求めを拒否します。

その他、ニッキーの父親である会計士ジャック(ボビー・カナヴェイル)、ジャックの妻アンジェラ、ニッキーの叔父マニーなどが登場します。

評価



本作は批評家からの評価は総じて厳しいものとなりました。映画評論サイトRotten Tomatoesでは、29件のレビューのうち肯定的な評価はわずか14%に留まり、平均点は10点満点中4.2点という結果でした。また、Metacriticにおいても、19件のレビューに基づく平均点は100点満点中26点と低く、肯定的なレビューは2件のみで、賛否混在が8件、否定的な評価が9件と、批評家の間で高い評価を得るには至らなかったことが示されています。

関連項目



グロリア (1980年の映画) - リメイク元の作品。

外部リンク



allcinema: グロリア
KINENOTE: グロリア
IMDb: Gloria (1999)
* Rotten Tomatoes: Gloria (1999)

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