グローブ・アンド・メール

カナダを代表する日刊紙：グローブ・アンド・メール

『グローブ・アンド・メール（The Globe and Mail）』は、カナダで発行される英語の日刊新聞です。オンタリオ州トロントに本社を置き、カナダ全土に向けて発行されています。約29万部の発行部数を誇り、カナダ最大の全国紙として、カナダ社会に大きな影響力を持っています。

歴史

1844年、カナダ自由党の機関紙として『グローブ（The Globe）』がトロントで創刊されました。当初は週刊紙でしたが、1850年代には日刊紙へと移行します。その後、1936年に『メール・アンド・エンパイア（The Mail and Empire）』と合併し、現在の『グローブ・アンド・メール』が誕生しました。

1965年にはFPパブリケーションズ社に買収され、経済面に力を入れるようになります。1980年にはトムソン・グループ（現在のトムソン・ロイター）に買収され、さらなる発展を遂げます。1995年にはインターネット版『Globeandmail.com』をスタートさせ、デジタル化にも対応しました。

2001年にはベル・カナダ（BCE社）に経営権が移転しましたが、2010年にはトムソン家がウッドブリッジ社を通じて議決権を取得し、現在ではウッドブリッジ社が主要株主となっています。

長らくカナダ唯一の全国紙としての地位を保っていましたが、1998年に『ナショナル・ポスト（The National Post）』が登場したことで、その独占状態は解消されました。

信頼性と影響力

ロイター・ジャーナリズム研究所の調査では、『グローブ・アンド・メール』はカナダの英字全国紙の中で最も信頼されている新聞と評価されています。高い信頼性と影響力から、カナダの政治、経済、社会情勢に大きな影響を与え続けています。

政治的傾向

創刊当初から、カナダの資本家や知識層の意見を反映する媒体として位置付けられてきました。歴史的には、カナダ進歩保守党やカナダ自由党を支持することが多く、保守的な傾向を持つメディアとして認識されています。しかし、新民主党を支持することもありました。ケベック独立問題に関しては、反対の立場をとることが一般的です。

2016年のアメリカ合衆国大統領選挙では、社説においてドナルド・トランプ氏を批判し、ヒラリー・クリントン氏への投票を呼びかけました。

まとめ

『グローブ・アンド・メール』は、カナダの歴史と発展を長年にわたり記録し、カナダ社会に多大な影響を与えてきた重要なメディアです。高い信頼性と影響力、そして歴史的背景を理解することは、カナダ社会を理解する上で不可欠です。今後もカナダの報道界をリードする存在として、その役割を果たし続けるでしょう。

参考情報

* 公式ウェブサイト

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