グローリー (企業)

グローリー株式会社の概要

グローリー株式会社は、兵庫県姫路市に本社を置く、世界最大級の貨幣処理機メーカーです。会社は、金融機関や自動販売機、電子マネーなど、通貨関連機器の開発・製造だけでなく、その販売とメンテナンスも行っています。グローバルには21カ国、100以上の拠点を構えており、生体認証技術としての顔認証にも力を入れています。特に、新型コロナウイルスの影響を受けて、マスク着用時でも認証が可能なシステムの刷新に成功しました。

事業分野

この企業は、長い歴史の中で、銀行や流通業界、遊技業界向けの多様な製品を開発してきました。1950年には国産初の硬貨計数機を大蔵省造幣局の発注により開発。以来、金融関連の機器やシステムに特化し、国内において約7割の市場シェアを握っています。また、ICカード事業の展開や、選挙用紙分類機など新たな事業分野の開拓も行っています。

さらに、同社はパチンコ関連の事業にも進出し、プリペイドカード市場では、業界第2位を誇ります。この背景には、2008年に他社から譲り受けた事業があり、現在は子会社が業務を担当しています。海外市場も視野に入れ、ドイツやイタリアの同業他社の買収を進めていることで、ヨーロッパでの製品展開を強化しています。

歴史と変遷

グローリーの歴史は1918年に始まります。「国栄機械製作所」として創業したこの会社は、1944年に法人化し、1957年には商事会社として再編されました。1969年に「グローリー商事」に名称変更、その後1971年から「グローリー工業」となるなど、数度の商号変更を経て、2006年から現在の「グローリー株式会社」に落ち着いています。

海外展開と買収

企業の成長過程では、北米やヨーロッパ各国での法人設立があり、特に1991年にドイツのグローリーGmbHを設立した際には、欧州市場の拡大に向けた重要な一歩となりました。2012年には英国の貨幣処理機メーカーであるTalarisを買収し、グローバルな競争力を強化しました。さらに、現在では世界的に金融機関向けの貨幣入出金機の市場で約40%のシェアを占有しています。

企業文化と広告活動

地元のメディアを利用した企業広告にも力を入れており、特にサンテレビにおいては長年にわたりCMを放送しています。また、2018年の創業100周年を記念して、俳優の長谷川博己を起用したプロモーション活動を行いました。地域貢献として、姫路市に券売機を寄贈するなど、地域密着型の活動も展開しています。

最近の問題と対応

しかし、会社の成長の影にはいくつかの不祥事も影を落としています。2006年には旧商事会社が右翼団体に不正支出を行っていたことが発覚し、また2022年には子会社の経理が約21億円を横領したという事件もありました。これにより、グローリーは業務の透明性と監視体制の強化に向けた対策を進めています。

総じて、グローリー株式会社は幅広い業務展開と革新技術を持つ企業でありながら、時に困難な状況にも直面しています。それでも、企業は進化を続け、今後も国内外での成長が期待されます。

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