グローリー/明日への行進

映画『グローリー/明日への行進』

『グローリー/明日への行進』（原題: Selma）は、アメリカ合衆国の公民権運動を基にした2014年の歴史ドラマ映画です。この作品は、アラバマ州セルマからモンゴメリーまで行われた歴史的な行進を描写しており、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの指導力とその周囲の人々の奮闘を中心に据えています。

映画の概要

監督を務めたエイヴァ・デュヴァーネイによる脚本の改訂は、90%に及び、キングの演説が新たに書き直されました。主演はデヴィッド・オイェロウォがマーティン・ルーサー・キング・ジュニアを演じ、トム・ウィルキンソンやティム・ロスなどが共演。特に、キングの演説や政治的な駆け引きを扱った部分では、リアルな感情と歴史的背景がよく表現されています。

本作は2014年11月11日にAFIフェストで初上映され、その後アメリカのいくつかの都市で限定公開されました。全米での劇場公開は2015年1月9日となり、大きな注目を集めました。多くの映画祭で作品賞を含む複数のノミネートを得ており、特に主題歌賞での受賞が嬉しい成果となりました。

キャスト

本作のキャストには、キングの妻コレッタ・スコット・キングを演じたカルメン・イジョゴや、学生非暴力調整委員会のジョン・ルイス役のステファン・ジェームスなど、才能ある俳優が名を連ねます。キングやジョンソンとの関係性を描く部分では、彼らの人間性も掘り下げられ、特にジョンソン役のトム・ウィルキンソンの演技に評価が集まりました。

制作の経緯

制作の始まりは2008年にさかのぼり、クリスチャン・コルソンがキングとジョンソンに関する物語の企画を買い取ったことから始まりました。その後、エイヴァ・デュヴァーネイが監督となり、脚本の改訂作業に入りました。多くの歴史的事実を基にすることが求められたため、実際の演説の権利問題が影響し、クリエイティブなアプローチが必要とされました。

音楽と評価

音楽はジェイソン・モランの作曲により、特にジョン・レジェンドとコモンによる主題歌「Glory」は絶賛され、アカデミー賞やゴールデングローブ賞を受賞しました。映画は批評家から盛大な支持を受け、Rotten Tomatoesでは99%の支持率を獲得。特に、オイェロウォの演技が称賛されました。

論争とその後

ただし、一部では歴史的正確性に疑問が投げかけられることもありました。特に、ジョンソン大統領が描かれ方に対する指摘が多く、これについては監督のデュヴァーネイも「フィクションであり私の解釈である」と述べています。重要な歴史的事象に対して様々な視点を持つことは大切であり、映画自体は多くの教訓を観客に提供します。

『グローリー/明日への行進』は、歴史の中に埋もれた真実を伝える力を持つ、感動的かつ刺激的な作品です。驚けることが出来るエンターテイメントでありながら、大切なメッセージの発信でもあります。

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