ケネディ・スクール

ハーバード・ケネディ・スクール（HKS）

ハーバード・ケネディ・スクール（Harvard Kennedy School、HKS）は、アメリカのハーバード大学に属する公共政策大学院であり、1936年に設立されました。設立当初は「公共経営大学院」と名付けられましたが、1966年にはアメリカ合衆国の第35代大統領であるジョン・F・ケネディの名を冠して「ハーバード・ジョン・F・ケネディ行政大学院」となりました。HKSは、国際公共政策の分野において際立った存在感を持ち、コロンビア大学国際公共政策大学院やプリンストン大学の国際公共政策大学院と並んで、世界最高峰の学校の一つに数えられています。

学業体系と特徴

HKSは、パブリックセクターにおけるリーダーシップや学際性の育成、理論と実践の融合を重視しています。学位プログラムには、公共政策学修士課程（MPP）、公共経営学修士課程（MPA）、国際開発に特化した公共経営学（国際開発）修士課程（MPA/ID）、そして職務経験を有する中堅向けの公共経営学ミッドキャリア課程（MC/MPA）などがあります。また、高度な研究を求める学生向けのPh.D.プログラムも存在します。これらの課程は、ハーバード・ロー・スクールやビジネススクール、MIT、フレッチャー法律外交大学院と提携し、学生は幅広い講座を履修することが可能です。

学長とその役割

HKSは、アメリカ政権交代の際の重要な人材供給源としても知られており、これまで多くの著名な人物が学長を務めてきました。ジョセフ・ナイ（1995-2004）、デイヴィッド・T・エルウッド（2004-2015）などがその例です。現学長のダグラス・エルメンドルフは、2016年からこの役割を担っており、2024年6月に退任予定です。後任には、スタンフォード大学の教授であるジェレミー・ワインスタインが指名されています。

有名な修了生

HKSは数々の優れたリーダーを輩出しており、その修了生には国家の指導者や国際機関の幹部が数多く含まれています。カナダの首相であるピエール・トルドーや、アメリカ連邦準備制度理事会（FRB）の元議長ポール・ボルカー、リベリアの初女性大統領エレン・ジョンソン・サーリーフなどがその一例です。また、国連の潘基文事務総長や世界銀行の総裁を務めたロバート・ゼーリックもこの学校の卒業生です。日本からも多くの優秀な学生が入学しており、官費留学を利用して毎年約10名の学生が学んでいます。

まとめ

ハーバード・ケネディ・スクールは、公共政策の分野におけるリーダーを育成する場として、国際的な評判を誇っています。多様な学位プログラムと、学際的な学問環境が特徴であり、世界中から約1,000名の学生が集まる様子が伺えます。卒業生たちは政財界で重要な役割を果たし続けており、その影響力は計り知れません。将来のリーダーとして、HKSは未だに新たな可能性を広げ続けています。

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