ケバエ

ケバエとは

ケバエは、ハエ目（双翅目）のケバエ科（Bibionidae）に分類される昆虫のグループを指します。世界には約7属700種が生息し、ニセケバエ科の種もケバエと呼ばれることがあります。また、フルカ科という和名も存在します。

ケバエの特徴

ケバエの体長は5mmから15mm程度で、複眼はオスとメスで異なる形状を示します。オスの複眼はメスよりも大きく発達しているのが特徴です。

ケバエの生態

ケバエの成虫は、年に1回または2回発生し、寿命は1週間から2週間と短い期間です。成虫は花の蜜や水を摂取しますが、摂食活動はそれほど活発ではありません。オスは群れをなして飛ぶことがあり、これは土壌から羽化してくるメスを待ち受ける行動だと考えられています。時には数百メートルから数キロメートルにも及ぶ大群を形成することもあり、ラブバグ（Plecia nearctica）という種では、群飛行動が4週間から5週間も続くことがあります。

幼虫は土壌中に生息し、特にユスリカ科やクロバネキノコバエ科の幼虫が多く見られますが、ケバエの幼虫も多く生息しています。ケバエの幼虫は土壌や朽木の中で腐植質を餌とする分解者として重要な役割を果たしています。また、幼虫は自らの糞を食べる食糞性も持っています。メスアカケバエ Bibio japonica は、1匹のメスが3000個以上の卵を産むことが確認されています。

ケバエの化石

ケバエ科は、双翅目のなかでも特に多くの化石種が発見されている科として知られています。主に第三紀の地層から約350種の化石種が見つかっています。

ケバエの分類

伝統的に、ケバエ科はケバエ亜科 Bibioninae とトゲナシケバエ亜科 Pleciinae の2つの亜科に大きく分けられてきました。しかし、Hesperininae 亜科を認める説もあります。また、トゲナシケバエ亜科を独立した科（トゲナシケバエ科）として扱うこともあり、Hesperininae 亜科を独立した科（ヒゲナガフルカ科）とすることもあります。

ケバエ科には世界で約7属700種、日本には5属36種ほどが生息しています。

主な下位分類

Bibioninae ケバエ亜科
Bibio ケバエ属
Bibiodes
Bibionellus
Dilophus
Enicoscolus
Pleciinae トゲナシケバエ亜科 - 独立した科とされることもある。
Plecia
Penthetria
Hesperininae ヒゲナガケバエ亜科
* Hesperinus - 単型属。独立したヒゲナガケバエ科とされることもある。

もう一度検索