ケムシ

ケムシの世界

ケムシ、または毛虫は、チョウやガの幼虫で、特に毛や棘があるものを指します。一般的に、ガの幼虫に多く見られる特徴ですが、少ない毛の生えたイモムシとの区別は難しいところです。多くの人が毛虫に対して抱く印象は、主にその有毒性から来ていますが、実際に有毒な種は限られています。日本では、特にドクガ科、カレハガ科、ヒトリガ科、イラガ科、マダラガ科の一部の幼虫だけが有毒とされています。

有毒なケムシたち

ドクガ科

ドクガ科の毛虫は長い毛が特徴で見た目は美しいですが、実際には非常に短い毒毛を持っているため、注意が必要です。これらの毒毛は肉眼では捉えづらいもので、肌に触れるとしばしばかゆみを引き起こします。特にドクガ、チャドクガ、モンシロドクガなどの主要な種は、蛹になる際に毒毛を付着させます。このため、これらの毛虫に遭遇した場合は近づかない方が良いでしょう。

カレハガ科

カレハガ科の毛虫も毒毛を持っており、特に胸部に集中しています。攻撃された際には、これらの毒毛を突出して防御します。日本には、ダイセツドクガやカシワマイマイなど、注意を要する種類が存在しますが、成虫にはこの毒毛は付着しません。

ヒトリガ科

ヒトリガ科の幼虫はごく少数ですが、有毒な毒毛を持つものも存在します。ただし、大半の種には毒が無いことが多いです。

イラガ科・マダラガ科

イラガ科やマダラガ科の幼虫は、見た目が無毒に見えるものが多いですが、短い棘が毒液を持っており、外敵に攻撃する際に注入します。特にアオイラガ属の幼虫は、毒針毛も含まれ、触れると危険です。

よく見かける毛虫

毛虫はその派手な見た目から見かけることが多く、刺すものや作物にダメージを与えるものも多いです。例えばドクガ類やマツカレハは庭木を食害し、秋にはフクラスズメの幼虫が目立ちます。さらに、アメリカシロヒトリは外来種で、群生して巣を作ることがあり特に注目されます。

特に名をもつ毛虫たち

イラムシ、クマケムシ、ブランコケムシなど、数多くの特定の名称を持つ毛虫も存在します。これらの毛虫は、見た目だけではなく、その生態や行動でも人々の注意を引きます。

駆除方法

ケムシが多発した場合には、農薬を使用することが一般的ですが、早めの対応がポイントです。少数の場合は手で捕獲も可能です。また、枝ごとカットする方法や、越冬する幼虫を焼却する「こも巻き」と呼ばれる手法も試みられています。これらの方法は有効な場合もありますが、効果に疑問視されることもあるため、状況を見極めて実行する必要があります。

結論

ケムシは一見無害そうに見える一方で、実際にはいくつかの種においては有毒であるため、注意が必要です。それぞれの特徴や行動を理解することで、有害な影響を避けることができるでしょう。

もう一度検索