ケリー・ディール

ケリー・ディール（Kelley Deal）は、1961年6月10日生まれのアメリカ合衆国のミュージシャン、シンガーソングライターです。彼女は、双子の妹であるキム・ディールと共に、オルタナティブ・ロックバンド、ブリーダーズ（The Breeders）を結成し、ギタリストとして広く知られています。ブリーダーズ以外にも、自身のバンドや様々なコラボレーションを通じて音楽活動を展開しています。

生い立ちと音楽活動の開始

ケリー・ディールは、オハイオ州デイトンで、双子の妹キム・ディールの11分前に誕生しました。高校時代には、キムと共にバンドを結成し、音楽演奏を始めました。キムがピクシーズ（Pixies）に加入し、プロのミュージシャンとして活動を始める一方で、ケリーはプログラマーとして社会人としてのキャリアをスタートさせました。

ブリーダーズへの加入と成功

1989年、キムが新たに結成したバンド、ブリーダーズで演奏するよう誘われます。当初は仕事の都合でこの誘いを断りましたが、1992年に正式にブリーダーズに加入。同年4月にリリースされたEP『サファリ（Safari）』で、初めてレコーディングにギタリストとして参加しました。その後、ギタリストのタニア・ドネリーが新バンドベリー（Belly）を結成するために脱退し、ケリーがバンドのリードギタリストを担当することになりました。1993年8月にリリースされたバンドの2ndアルバム『ラスト・スプラッシュ（Last Splash）』は、ミリオンセラーを記録する大ヒットとなり、ブリーダーズは一躍、人気バンドの仲間入りを果たしました。バンドは大規模なツアーを行い、ニルヴァーナ（Nirvana）のオープニングアクトも務めました。

薬物中毒との闘いと更生

『ラスト・スプラッシュ』の成功の陰で、ケリーは10代の頃から抱えていたヘロイン中毒の問題に苦しんでいました。アルバムの成功によって中毒はさらに深刻化し、1994年にはヘロイン所持で逮捕されてしまいます。1995年からはミネソタ州の薬物更生施設に通い始め、ブリーダーズは活動を一時的に休止せざるを得なくなりました。更生施設でのリハビリ中に、ケリーは楽曲制作に励み、リハビリ後には自身のバンド、ケリー・ディール 6000（Kelley Deal 6000）を結成し、2枚のアルバムをリリースしました。その後、ブリーダーズは活動を再開し、現在も精力的に活動を続けています。

その他の音楽活動

ブリーダーズとしての活動の傍ら、ケリーはセバスチャン・バックやジミー・チェンバレンらが結成したザ・ラスト・ハード・メン（The Last Hard Men）にベーシストとして参加するなど、様々なプロジェクトに関わっています。2012年には、新バンドR. Ringを結成し、2013年にEP『The Rise』をリリースしました。

音楽以外の活動：編み物

薬物中毒更生の一環として、ケリーは編み物を始めました。特にハンドバッグ作りに力を入れ、自身のウェブサイトでハンドバッグの販売も行っています。2008年には、自身の編み物の本『Bags That Rock: Knitting on the Road with Kelley Deal』を出版するなど、編み物家としても才能を発揮しています。

参加作品

ブリーダーズ
サファリ EP （1992年）
ラスト・スプラッシュ （1993年）
タイトルTK （2002年）
マウンテン・バトルズ （2008年）
ケリー・ディール 6000
Go to the Sugar Altar （1996年）
Boom! Boom! Boom! （1997年）
ザ・ラスト・ハード・メン
The Last Hard Men （1998年／2001年）
R. Ring
"Fall Out & Fire" (7") （2012年）
The Rise EP （2013年）

外部リンク

公式サイト
* ブリーダーズ公式サイト

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