ピクシーズ

ピクシーズ：オルタナティブロックのパイオニア

1986年、マサチューセッツ州で結成されたピクシーズは、オルタナティブロックシーンに革命を起こしたバンドとして知られています。特徴的なサウンドは、ブラック・フランシスのエモーショナルなボーカルと、ジョーイ・サンティアゴの生み出すノイジーでキャッチーなギターリフによって形成されました。この独特の音楽性は、後のインディーロック、オルタナティブロックシーンに多大な影響を与え、多くのミュージシャンにインスピレーションを与えました。

衝撃のデビューとバンドの軌跡

バンド名は、辞書を偶然開いた際にメンバーが発見した「Pixies」から名付けられました。当初は「Pixies in Panoply」という正式名称でしたが、略称としてPixiesを使用しています。

結成後、デモテープがイギリスのレーベル4ADのオーナーの目に留まり、契約。ミニアルバム『カム・オン・ピルグリム』でデビューを果たします。その後、スティーブ・アルビニをエンジニアに迎え制作された1stアルバム『サーファ・ローザ』は世界的な成功を収め、瞬く間に注目を集める存在となりました。

続くアルバム『ドリトル』、『ボサノバ』もヒットを記録し、特に「Here Comes Your Man」や「Monkey Gone to Heaven」、「Dig for Fire」などの曲は彼らの代表曲として広く知られるようになりました。しかし、成功の裏ではメンバー間の摩擦も大きくなり、バンドは1993年に活動休止。ブラック・フランシスはソロ活動を開始しました。

再結成と変遷

2004年、ピクシーズは再結成。フジロックフェスティバルなどにも出演し、再び世界中のステージを沸かせました。しかし、2013年にはベーシストのキム・ディールが脱退。その後、幾度かのメンバーチェンジを経て、2014年には23年ぶりのアルバム『インディ・シンディ』をリリースしています。2024年にはベーシストのパズ・レンチャンティンが脱退、バンドは自身のプロジェクトに専念するためと発表しましたが、レンチャンティン本人は解雇を示唆する発言をしています。

メンバー

ブラック・フランシス (Black Francis): ボーカル、ギター。本名はチャールズ・マイケル・キットリッジ・トンプソン四世。ソロ活動時はフランク・ブラック名義を使用。
ジョーイ・サンティアゴ (Joey Santiago): ギター
デイヴィッド・ラヴァリング (David Lovering): ドラムス
エマ・リチャードソン (Emma Richardson): ベース、ボーカル

元メンバー:

キム・ディール (Kim Deal): ベース、ボーカル (1988年頃まではMrs. John Murphy名義)。ブリーダーズでも活動。
キム・シャタック (Kim Shattuck): ベース、ボーカル。ザ・マフスでも活動。2019年没。
* パズ・レンチャンティン (Paz Lenchantin): ベース、ボーカル (ツアーメンバー)。ア・パーフェクト・サークルやズワンで活動。

音楽性と影響

ピクシーズの音楽性は、ブラック・フランシスの独特な歌詞と、時に狂気的ともいえるボーカル、そして疾走感とノイズを融合させたサウンドが特徴です。初期の作品はローファイなサウンドが強く、アンダーグラウンドな雰囲気を漂わせています。一方、後期の作品ではより洗練されたサウンドとなり、メジャーシーンでの成功を収めました。

その独特な音楽性は、ニルヴァーナ、U2、ウィーザー、ブラー、レディオヘッドなど、多くのアーティストに影響を与えました。ニルヴァーナの「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」のベースラインは、ピクシーズの曲からインスピレーションを得たという説もあります。

ピクシーズの音楽は、ロック史に大きな足跡を残し、現在でも多くのファンを魅了し続けています。その独特のサウンドと影響力は、これからも多くのミュージシャンにインスピレーションを与え続けるでしょう。

もう一度検索