ケルン放送管弦楽団

ケルン放送管弦楽団（WDR Funkhausorchester Köln）

ケルン放送管弦楽団（WDR Funkhausorchester Köln）は、ドイツ連邦共和国ノルトライン＝ヴェストファーレン州の主要都市であるケルン市に活動の拠点を置くオーケストラです。

この楽団は、ドイツの公共放送局である西部ドイツ放送（Westdeutscher Rundfunk Köln、略称WDR）が維持運営する二つの主要なオーケストラのひとつとして、ドイツ国内外における音楽文化の振興に重要な役割を果たしています。

現在の名称は2014年から用いられており、それ以前はWDR Rundfunkorchester Kölnという名称で活動していました。

歴史

ケルン放送管弦楽団が今日の組織として正式に設立されたのは1947年のことですが、その音楽活動の歴史的な起源はさらに深く、1927年にまで遡ることができます。

創設以来、この楽団は放送オーケストラとしての特性を活かし、クラシック音楽にとどまらず、オペレッタ、ミュージカル、映画音楽、現代音楽など、幅広いジャンルの楽曲を演奏してきました。ラジオ放送やテレビ番組のための演奏・録音を通じて、多様な音楽を多くの聴衆に届けるという使命を担っています。

活動拠点

ケルン放送管弦楽団の主要な演奏会場としては、ケルン市を代表するコンサートホールのひとつであるケルン・フィルハーモニーが挙げられます。ここでは定期的なコンサートシリーズが開催され、楽団の演奏を直接聴くことができます。

また、楽団が所属する西部ドイツ放送局内にある「クラウス・フォン・ビスマルク・ホール」も、演奏会や特に放送・録音用のセッションにおいて重要な役割を果たしています。これらの拠点を中心に、楽団は活発な音楽活動を展開しています。

指揮者

ケルン放送管弦楽団の音楽的な歩みは、多くの優れた指揮者たちによって導かれてきました。

これまでに楽団の首席指揮者などを務めた人物とその在任期間は以下の通りです。

ヘルマン・ハゲステット（1947年 - 1968年）
フランツ・マスツァレック（1949年 - 1965年）
クルト・クレーマー（1968年 - 1989年）
ハインツ・ゲーゼ（1968年 - 1995年）
ヘルムート・フロシャウアー（1997年 - 2006年）
ミハイル・ユロフスキー（2006年 - 2008年）
ニクラス・ウィレン（2010年 - 2013年）
ウェイン・マーシャル（2014年 - 2021年）
フランク・シュトローベル（2021年 - 2024年）
デヴィッド・ブロフィー（2024年 - 現在）

現在、楽団の音楽監督として指揮を執っているのは、2024年に就任したデヴィッド・ブロフィー氏です。

また、長年にわたり楽団に貢献した指揮者に対しては、名誉指揮者の称号が贈られています。

* ヘルムート・フロシャウアー（2003年 - 2019年）

在籍する日本人奏者

国際的なメンバーで構成されるケルン放送管弦楽団には、現在、複数の日本人奏者が在籍し、その高い演奏技術で楽団の響きを支えています。

首席オーボエ奏者として吉田智晴氏が、そしてヴィオラ奏者として深澤麻里氏が、楽団の重要な一員として活躍しており、国際的な舞台で日本の音楽家としての存在感を示しています。

ケルン放送管弦楽団は、その多様なレパートリーと質の高い演奏により、今後もドイツ及び世界の音楽シーンにおいて重要な役割を果たしていくことが期待されます。

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