ケント・ハドリ

ケント・ウィリアム・ハドリについて

ケント・ウィリアム・ハドリ（Kent William Hadley, 1934年12月17日 - 2005年3月10日）は、アメリカ・アイダホ州ポカテッロ出身のプロ野球選手で、主に内野手として活躍しました。彼はメジャーリーグベースボール（MLB）での経験を経て、1962年から日本プロ野球（NPB）で成功を収め、多くのファンに愛されました。

MLB時代のハドリ

1956年、ハドリはデトロイト・タイガースと契約し、プロとしてのキャリアが始まります。しかし、メジャー昇格を果たすことはできず、翌年にはカンザスシティ・アスレチックスにトレードされました。1958年9月14日、アスレチックスでメジャーデビューを果たし、翌年には113試合に出場しましたが、その後ニューヨーク・ヤンキースにトレード移籍し、出場機会が減少。1961年にはシカゴ・ホワイトソックスに移籍するも、ここでもメジャーでの出場は実現しませんでした。

NPBでの成功

ハドリは1962年、日本プロ野球の南海ホークスに入団します。彼はメジャーでの経験を活かし、このリーグでも期待される打者となりました。初出場は1962年5月1日、西鉄ライオンズ戦で、初打席でいきなり本塁打を記録。これは日本プロ野球において史上5人目の初打席本塁打という快挙でした。

ハドリの活躍は続き、1963年には打率.295、30本塁打、84打点を記録し、その年のオールスターゲームにも選出されました。更に彼は1964年から2年連続で29本塁打を打ち、外国人選手として初の通算100本塁打を達成。この功績により、「ケンちゃん」の愛称で親しまれ、南海の主力打者として君臨しました。

特に1966年の日本シリーズ第5戦では、逆転サヨナラホームランを放ち、南海の意地を見せる重要なプレーを演じました。このプレーは、ハドリ自身にとっても日本での思い出深い瞬間となり、帰国後も記憶に残り続けました。彼は1964年にも日本シリーズでサヨナラホームランを打っており、シリーズでのサヨナラホームランのツー・イン・ア・ロウは当時の記録として名を残しました。

引退後の人生

ハドリは1967年に日本を離れ、アメリカに帰国します。彼はアイダホ州ポカテロに活動の場を移し、地元の損害保険会社「Farm Bureau Mutual Insurance Company of Idaho」の重役として新たな生活を始めました。帰国後も日本のメディアからの取材を受けるなど、彼の野球キャリアは多くの人々の記憶に残っていました。

2005年3月10日、ハドリは生まれ故郷のアイダホ州にて70歳で息を引き取りました。

成績と記録

ハドリのプロキャリアにおける成績は以下の通りです：

• - MLB初出場：1958年9月14日
• - NPB初出場：1962年5月1日
• - NPBオールスターゲーム出場：1回（1963年）
• - 日本シリーズ優秀選手賞：1回（1964年）
• - 通算100本塁打：1966年4月9日を達成し、これは外国人選手として初の記録です。

彼のキャリアは、メジャーリーグと日本プロ野球の両方において、特別な成果を収めることで成り立っていました。これにより、ハドリは数世代にわたり愛された選手となり、今なお多くのファンに思い出され続けています。

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