ケーニグセグCCRは、
スウェーデンの高級スポーツカーメーカー、
ケーニグセグ社が
2004年から
2006年にかけて製造した
スーパーカーです。その圧倒的なパフォーマンスと独特のデザインで、
自動車史に名を刻む一台となりました。
驚異的な速度記録
2005年2月、
イタリアのナルド・リングにおいて、CCRは時速387.8kmという驚異的な速度を記録しました。これは当時、市販車として世界最速の記録であり、長らくその座を守り続けました。その後、最高速度407km/hを記録した
ブガッティ・ヴェイロンが登場するまで、その記録は破られませんでした。さらに、最高時速395km/hという公称値も記録しており、ギネス世界記録にも認定されました。この記録は、のちにシェルビー・
スーパーカーズ・アルティメイトエアロTTに破られるまで保持されました。
軽量ボディとパワフルなエンジン
CCRの優れたパフォーマンスを支えたのは、その軽量なボディと強力なエンジンです。
アルミニウム合金とカーボンファイバーを多用したボディは、車重をわずか1180kgに抑えています。一方、4.7リッターV8ツインターボエンジンは、800馬力以上の出力を発揮し、0-100km/h加速はわずか3.2秒という驚異的な加速性能を実現しています。
トランスミッションには、
レーシングカーで実績のあるCIMA製シーケンシャルミッションが採用されています。
特徴的なデザイン
CCRのデザインは、他の
スーパーカーとは一線を画すものです。特に目を引くのが、「ラプタードア」と呼ばれる独特のドア機構です。
猛禽類の翼を思わせるこのドアは、外側に開き、その後、フロント下部を支点に回転する複雑な動きをします。この特徴的なデザインは、CCRのアイコニックな要素となっています。
生産台数と価格
CCRは、北米を中心に約40台が販売されました。その希少性も、CCRの価値を高める要素となっています。価格は、車両本体価格で385,000
ユーロと、非常に高額でした。日本円に換算すると、当時のレートで約5,005万円に相当します。
ケーニグセグCCRとエドックスの腕時計
スイスの高級時計メーカー、エドックスは、
ケーニグセグCCRをモチーフにした腕時計を製造しました。この時計の文字盤には、CCRが記録した最高速度である388km/hが刻まれています。これは、CCRの伝説を後世に伝える貴重なアイテムとなっています。
後継車:CCX
CCRの後継車として登場したのが、CCXです。CCXは、CCRを受け継ぎつつ、さらなる進化を遂げたモデルとして知られています。
まとめ
ケーニグセグCCRは、その圧倒的な速度、軽量で高性能なボディ、そして独特のデザインによって、
スーパーカーの歴史に大きな足跡を残した一台です。希少性も相まって、コレクターの間でも非常に人気が高く、伝説的な
スーパーカーとして語り継がれています。