ケーブルカッター
ケーブルカッターは、主に銅線ケーブル（電線IV線・SV線・CV線）を切断するために使用される専用工具です。1970年代にはスイスのフェルコ社が世界的に有名でしたが、現在では国内外の多くのメーカーが様々な方式のカッターを製造・販売しています。
ケーブルカッターは、操作方式によって大きく「単式レバー方式」「複式レバー方式」「ラチェット式」に分類できます。また、刃の形状によって「両側アール刃組合せ」「片側アール刃片側直刃組合せ」に分けることができます。これらのタイプによって、操作性や切断面の形状に特徴があります。
1970年代には、両手持ちタイプのケーブルカッターとしてフェルコとHKPの2社が有名でした。特にフェルコは、園芸用剪定鋏で世界的に知られており、日本ではカツヤマキカイが輸入総代理店として販売していました。
フェルコは1945年に創業したスイスの剪定鋏専門メーカーで、その技術を応用したケーブルカッターは高い評価を得ていました。国内メーカーでは、マーベルがフェルコ式の単式レバータイプを、松阪鉄工所が複式レバータイプを製品化しました。その後、ジェフコム（DENSAN）もフェルコタイプの製品を発売しています。
ラチェット式ケーブルカッターは、当時ドイツのBAUDAT社が有名で、国産品はまだ存在していませんでした。マーベルは1943年創業のミノル工業の販売会社であり、デンサンは1972年設立のジェフコムの電設工具ブランドです。
単式レバー比のケーブルカッターは、最大容量のケーブルを切断する際に、ハンドルを大きく広げる必要があるため、広い作業スペースが必要になります。主に新設工事での切断作業に適しています。刃は「両側アール刃組合せ」となっており、ハンドルはアルミ鍛造品または金型鋳造品（グラビティ鋳造品）が使用されています。絶縁タイプのカッターでは、ハンドルにグラスファイバーが使用され、その絶縁性能は公的機関でテストされています。切断面は円形に近い形状になりやすく、その後の皮むきや圧着端子取り付け作業での修正が少なくて済むという利点があります。
複式レバー比のケーブルカッターは、ハンドルを大きく広げる必要がなく、狭い場所での作業に適しています。刃は「片側アール刃片側直刃組合せ」が多く、ケーブル径が大きいほど切断面に平坦部ができやすく、D型端面になりやすい傾向があります。そのため、次の作業に移る前に端面の修正が必要になる場合があります。ハンドル部は鍛造本体とパイプハンドルの組み合わせで、絶縁タイプではアルミ鋳造本体とグラスファイバーパイプの組み合わせが使用されています。
両タイプのカッターを全長がほぼ同じ製品で比較すると、ハンドルを握るのに必要な力はほぼ同じであることがわかります。これは、単式レバー方式では被切断材のケーブル切断位置と刃の支点との距離が短いことや、フェルコ独特の三角形切断によって最大切断荷重を小さくできるためです。これらの歴史ある製品は、外見上は大きな変化がないように見えますが、刃の加工面積を減らす工夫や、機能上不要と判明した部品の削除、部品の専用設計から市販品への変更など、コストダウンのための努力が続けられています。
切断対象材は、主に銅より線・アルミより線ですが、近年では亜鉛めっき鋼より線の支持線も切断できる製品も発売されています（MARVEL）。
国内におけるラチェット式片手持ちケーブルカッターの普及は、カクタス（CACTAS）がドイツのライネル・ロムメルが発明した特許を取得したカッターをCACTASブランドで国内販売したのが始まりです。配電盤内での作業などで、小型でありながら切断能力の高いラチェット式ケーブルカッターが注目を集めました。
その後、小林工具製作所が特許を取得し、国内外の他社にOEMで供給・製品化しています。また、ドイツのフリードリッヒ－ギユンタ・ラウクス、ステファン・ラウクスらによる特許も存在します。
近年では、マーベルやデンサンなど国内メーカーもラチェット式ケーブルカッターに参入していますが、OEM製品が多い状況です。海外市場でも、同じ製品が異なるブランドで販売されているケースが多く、特許の有効期限が切れた現在では、その関係を整理することが困難になっています。
カクタスは2001年設立の日油技研工業株式会社の完全子会社です。ラチェット式の両手持ちカッターは、海外のBAUDAT、HKP、Greenleeなどが有名です。
HKPの製品は複雑な機構を持つものが多いのに対し、Greenleeは非常にシンプルな機構を持つ製品もあります。
ケーブルカッターは、電線ケーブルの切断作業に不可欠な工具であり、作業内容や現場環境に応じて適切なタイプを選択することが重要です。各メーカーは、より使いやすく、効率的な製品の開発に取り組んでおり、今後も技術革新が期待されます。
ケーブルカッターの種類
ケーブルカッターは、操作方式によって大きく「単式レバー方式」「複式レバー方式」「ラチェット式」に分類できます。また、刃の形状によって「両側アール刃組合せ」「片側アール刃片側直刃組合せ」に分けることができます。これらのタイプによって、操作性や切断面の形状に特徴があります。
一回切りケーブルカッター
1970年代には、両手持ちタイプのケーブルカッターとしてフェルコとHKPの2社が有名でした。特にフェルコは、園芸用剪定鋏で世界的に知られており、日本ではカツヤマキカイが輸入総代理店として販売していました。
フェルコは1945年に創業したスイスの剪定鋏専門メーカーで、その技術を応用したケーブルカッターは高い評価を得ていました。国内メーカーでは、マーベルがフェルコ式の単式レバータイプを、松阪鉄工所が複式レバータイプを製品化しました。その後、ジェフコム（DENSAN）もフェルコタイプの製品を発売しています。
ラチェット式ケーブルカッターは、当時ドイツのBAUDAT社が有名で、国産品はまだ存在していませんでした。マーベルは1943年創業のミノル工業の販売会社であり、デンサンは1972年設立のジェフコムの電設工具ブランドです。
単式レバー比のケーブルカッターは、最大容量のケーブルを切断する際に、ハンドルを大きく広げる必要があるため、広い作業スペースが必要になります。主に新設工事での切断作業に適しています。刃は「両側アール刃組合せ」となっており、ハンドルはアルミ鍛造品または金型鋳造品（グラビティ鋳造品）が使用されています。絶縁タイプのカッターでは、ハンドルにグラスファイバーが使用され、その絶縁性能は公的機関でテストされています。切断面は円形に近い形状になりやすく、その後の皮むきや圧着端子取り付け作業での修正が少なくて済むという利点があります。
複式レバー比のケーブルカッターは、ハンドルを大きく広げる必要がなく、狭い場所での作業に適しています。刃は「片側アール刃片側直刃組合せ」が多く、ケーブル径が大きいほど切断面に平坦部ができやすく、D型端面になりやすい傾向があります。そのため、次の作業に移る前に端面の修正が必要になる場合があります。ハンドル部は鍛造本体とパイプハンドルの組み合わせで、絶縁タイプではアルミ鋳造本体とグラスファイバーパイプの組み合わせが使用されています。
両タイプのカッターを全長がほぼ同じ製品で比較すると、ハンドルを握るのに必要な力はほぼ同じであることがわかります。これは、単式レバー方式では被切断材のケーブル切断位置と刃の支点との距離が短いことや、フェルコ独特の三角形切断によって最大切断荷重を小さくできるためです。これらの歴史ある製品は、外見上は大きな変化がないように見えますが、刃の加工面積を減らす工夫や、機能上不要と判明した部品の削除、部品の専用設計から市販品への変更など、コストダウンのための努力が続けられています。
切断対象材は、主に銅より線・アルミより線ですが、近年では亜鉛めっき鋼より線の支持線も切断できる製品も発売されています（MARVEL）。
ラチェット式ケーブルカッター
国内におけるラチェット式片手持ちケーブルカッターの普及は、カクタス（CACTAS）がドイツのライネル・ロムメルが発明した特許を取得したカッターをCACTASブランドで国内販売したのが始まりです。配電盤内での作業などで、小型でありながら切断能力の高いラチェット式ケーブルカッターが注目を集めました。
その後、小林工具製作所が特許を取得し、国内外の他社にOEMで供給・製品化しています。また、ドイツのフリードリッヒ－ギユンタ・ラウクス、ステファン・ラウクスらによる特許も存在します。
近年では、マーベルやデンサンなど国内メーカーもラチェット式ケーブルカッターに参入していますが、OEM製品が多い状況です。海外市場でも、同じ製品が異なるブランドで販売されているケースが多く、特許の有効期限が切れた現在では、その関係を整理することが困難になっています。
カクタスは2001年設立の日油技研工業株式会社の完全子会社です。ラチェット式の両手持ちカッターは、海外のBAUDAT、HKP、Greenleeなどが有名です。
HKPの製品は複雑な機構を持つものが多いのに対し、Greenleeは非常にシンプルな機構を持つ製品もあります。
まとめ
ケーブルカッターは、電線ケーブルの切断作業に不可欠な工具であり、作業内容や現場環境に応じて適切なタイプを選択することが重要です。各メーカーは、より使いやすく、効率的な製品の開発に取り組んでおり、今後も技術革新が期待されます。
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