ゲプハルト・レベレヒト・フォン・ブリュッヘル
ゲプハルト・レベレヒト・フォン・ブリュッヘル(
1742年12月16日 -
1819年9月12日)は、
プロイセン王国の陸軍
元帥として名を馳せた
軍人です。彼は
ナポレオン戦争において
プロイセン軍の総司令官となり、ウェリントン公と共に
ワーテルローの戦いでナポレオン軍を破ったことで特に知られています。前進
元帥(Marschall Vorwärts)と呼ばれる攻撃的な性格が特徴です。
生い立ちと初期のキャリア
ブリュッヘルは
1742年に
ロストックで誕生し、14歳で
スウェーデン軍に入隊しました。
1760年からの
ポメラニア戦役で
プロイセン軍に捕虜となり、その後
プロイセン軍に入隊します。彼は
七年戦争で軽
騎兵隊の士官として多くの戦功を挙げましたが、過激な行動が原因で昇進を逃すこともありました。
1773年に辞職後、農業に従事しますが、フリードリヒ2世の死後に軍務に復帰します。
1806年、
プロイセンがフランスに宣戦布告すると、ブリュッヘルは師団長として活動。しかし、
イエナ・アウエルシュタットの戦いで大敗し、捕虜となります。その後、ブリュッヘルは愛国的な英雄視され、
1807年にはポンメルン軍司令官に任命されます。
1812年にはロシアとの同盟を求めるも、ドイツ国王によって解任されます。
1813年には再び軍司令官に復帰し、諸国民解放戦争を指導。
プロイセン軍総司令官として多くの戦闘を指揮し、ナポレオンに対抗する同盟軍の形成にも寄与しました。特にライプツィヒの戦いでは勝利を収め、ナポレオンをドイツから排除する大きな功績を残しました。
1815年、ナポレオンが再び勢力を持つ中、ブリュッヘルは
プロイセン軍の総司令官として呼び戻されます。彼はグナイゼナウと共に軍を指揮しましたが、16日の
リニーの戦いで一時負傷してしまいます。それでも彼は指揮を握り、
6月18日の
ワーテルローの戦いでは
フランス軍を攻撃し、勝利を収めました。この戦いの後、ナポレオンは再び退位し、ブリュッヘルはその功績で陸軍
元帥に叙せられます。
評価と影響
ブリュッヘルは粗野で無教養ながらも、度量が広く軍に信望されていました。優秀なスタッフを信頼し、彼らの意見を取り入れたそのリーダーシップは高く評価されています。彼は勇敢であり、
愛国心にあふれた男で、敗北の中でも部隊を鼓舞し続け、ナポレオンを打倒したことで有名です。彼の戦歴や性格は、前進
元帥という
称号に象徴されています。ブリュッヘルは
1819年に77歳で亡くなりますが、その名は軍史に刻まれています。