ゲンコツの海

テレビドラマ『ゲンコツの海』

『ゲンコツの海』は、1973年1月から6月まで日本テレビ系列で放送された北日本放送制作のテレビドラマで、全25話で構成されています。この作品は、南海の小さな島にある海原高校を舞台に、新任教師の山中大助の成長と生徒たちとの交流を描いています。番組は吉田工業（現在のYKK）の一社提供であり、全国ネットでの放送としては北日本放送が初めて手掛けたゴールデンタイムの番組でもあります。

あらすじ

物語は、主人公の山中大助がモーターボートで海原高校に赴任するところから始まります。彼は海洋部の部長に就任し、生徒たちと共に活動を通じて交流を深めていきます。学校生活を舞台に、生徒たちとの絆や成長を描くほか、実在する富山県の学校が登場するエピソードも含まれています。

放送の背景

『ゲンコツの海』は、NNN系列である北日本放送が制作した初めての全国ネットの番組として放送されました。しかし、前番組であるアニメ『新・オバケのQ太郎』の影響や、その後に放送された円谷プロの特撮番組『ジャンボーグA』の人気のせいで、視聴率が低迷しました。実際、日本テレビ系列の地方局制作のゴールデンタイムのレギュラー番組は、2023年現在までこれ以外に存在していません。

出演者

このドラマには多くのキャラクターが登場し、それぞれに魅力的な役割が与えられています。山中大助役には渡辺篤史がキャスティングされ、バレーボール部長の白水和子役には泉晶子が配役されています。また、生徒役には児島美ゆき、田中美恵子などが出演し、ドラマに彩りを加えています。特に、野村豪一や工藤明といった海洋部員たちも重要な役割を果たしています。

スタッフ

スタッフ陣には名のある脚本家や監督が揃い、ストーリーや演出に対するこだわりが見て取れます。脚本は長坂秀佳や上条逸雄、桜井康裕、加瀬高之が担当し、監督には斉藤秀夫、新津左兵や小山幹夫らが名を連ねています。また、音楽は日暮雅信が手がけ、ドラマの雰囲気を一層引き立てています。

主題歌

主題歌「海はいつでも」は、渡辺篤史が歌っており、歌詞は山上路夫、作編曲は鈴木邦彦が手掛けています。この歌は、作品のテーマや感情を表現し、視聴者の心に残る印象を与えます。

コミカライズ

『ゲンコツの海』は、ドラマの原案をもとにしたコミカライズが「少女フレンド」で連載されました。画は望月あきらが担当し、単行本は1973年に刊行されました。各巻の表紙にはドラマの出演者の姿が描かれています。

『ゲンコツの海』は、当時の若者たちの姿を描きながら、多くの人々に感動と思い出を与えた作品です。新任教師と生徒たちの交流を通じて、成長や絆の大切さが伝わる感動的なドラマとして、今なお多くのファンに愛され続けています。

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