ゲンチアナ

ゲンチアナ (Gentiana lutea)

ゲンチアナ（学名：Gentiana lutea）は、リンドウ科に属する多年草で、主にヨーロッパに分布、または栽培されています。和名では「健質亜那」と表記されます。夏には鮮やかな黄色の花を咲かせることが特徴です。

生薬としての利用

ゲンチアナの根および根茎は、生薬「ゲンチアナ」として日本薬局方にも収録されています。採取後、発酵させてから乾燥させることもあります。非常に強い苦味を持ち、この苦味成分が苦味健胃薬として効果を発揮します。消化機能を促進し、食欲不振や胃もたれなどの症状を緩和するために用いられます。

医療への応用

伝統的な漢方薬には用いられませんが、西洋薬と生薬を組み合わせた胃腸薬には、ゲンチアナがよく配合されています。これらの胃腸薬は、処方箋なしで購入できるものが多く、手軽に利用できます。また、漢方薬で用いられる「龍胆（りゅうたん）」と類似した生薬としても知られています。

その他の利用

ゲンチアナは、医薬品以外にも様々な用途で利用されています。

リキュールの原料: フランスのリキュール「スーズ」の原料として使用されています。
蒸留酒の原料: ヨーロッパアルプス地方の蒸留酒「エンツィアン（ゲビルクスエンツィアン）」は、ゲンチアナを含むリンドウ科植物の根や根茎を原料としています。
研磨剤: スイス・ジュー渓谷では、ゲンチアナが「ジャンシャン」と呼ばれ、茎を乾燥させて時計の部品を研磨するのに用いられています。

注意点

ゲンチアナは、一般的には安全な生薬として知られていますが、過剰摂取は避けるべきです。また、妊娠中や授乳中の女性、または特定の疾患を持つ方は、使用前に医師や薬剤師に相談してください。

参考情報

ゲンチアナ - 素材情報データベース＜有効性情報＞（国立健康・栄養研究所）

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