ゲートバルブ

ゲートバルブとは

ゲートバルブは、「スルースバルブ」とも呼ばれ、流体の流れを制御するための重要な機器です。この種類のバルブは、バリア（ゲート）が流路から持ち上がることで開閉します。特長として、パイプ内の必要なスペースが非常に小さく、完全に開いている状態では流体の流れにほとんど抵抗を与えません。ゲートの表面形状は様々ですが、最も一般的なのは楔形であり、これはシール面に圧力を加えることを可能にするためです。

用途

ゲートバルブは、通常、液体の流れを遮断する目的で使用されます。完全に開いたときには流路に障害物がなく、流れの抵抗が非常に低くなるため、高流量を必要とするシステムに適しています。ただし、ゲートが動くにつれて開口の大きさは非線形に変化するため、流量が均等には変化しません。これにより、部分的に開いたゲートバルブの場合、流体の流れによって振動が発生することがあります。

また、ゲートバルブは直径の大きいパイプ（一般に2インチから大規模なパイプラインまで）が使用されることが多く、構造は比較的シンプルです。ただし、高圧条件下では摩擦の問題が生じることがあり、媒体の圧力がゲートをガイドレールに押し付けることで、バルブを操作しにくくなることがあります。このような場合、大きなゲートバルブには、圧力を下げるために小さなバルブで制御されるバイパスが設けられていることがあります。これにより、操作の前に適切な圧力管理が可能です。

また、追加のシールリングがないゲートバルブは、例えば加熱回路や下水管など、バルブからのわずかな漏れが許容される用途で利用されることがあります。

日本における使用状況

日本の水道システムにおいては、流体の制御に特化したゲートバルブが「制水弁」や「仕切弁」と呼ばれています。特に、昭和戦前に作られた古いマンホールの蓋には「制水弇」や「仕切弇」といった表記が見られ、その漢字「弇」は本来「エン」と音読みし、覆いを意味するものです。しかし、実際には「弇」は「弁」の当時の正式な字体であった「瓣」の略字として使用され、「ベン」と呼ばれていました。戦後の当用漢字制定を受けて、「制水弁」「仕切弁」といった表記に置き換えられました。

まとめ

ゲートバルブは流体の流れを遮断するために設計されており、抵抗が少なく、特に大口径のパイプに適しています。その使用にあたっては圧力や構造、機能を考慮し、特定の条件に応じた適切な選定が求められます。また、日本における名称の変遷からも、長い歴史と共に技術が進化してきたことが伺えます。

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