ゲーリー・E・ジョンソン

ゲーリー・アール・ジョンソンについて

ゲーリー・アール・ジョンソン（Gary Earl Johnson）は、1953年1月1日にノースダコタ州マイノットに生まれたアメリカの政治家兼実業家です。彼は長い間共和党に所属していましたが、2011年にはリバタリアン党に移籍し、特に2012年と2016年の大統領選挙において同党の候補者として立候補しました。

経歴の概要

生い立ち

ジョンソンの父は公立学校の教師、母はインディアン事務局で働いており、彼はデンマーク、ノルウェー、ロシアの血統を引いています。1971年にニューメキシコ州アルバカーキでサンディア高等学校を卒業後、1975年にはニューメキシコ大学を卒業しました。

実業家としての成長

大学でのアルバイトを経て、1976年に建設会社ビッグ・J・エンタープライズを設立しました。この会社は20年後にはニューメキシコ州最大の建設業者となり、1000人以上の従業員を抱える成功を収めました。

ニューメキシコ州知事としての歩み

1994年、ジョンソンは自身の建設会社を売却し、共和党の強力な支持を得てニューメキシコ州知事に立候補しました。選挙資金の多くは自己負担し、減税や雇用創出を公約に掲げました。彼は共和党の指名を受け、当時の民主党知事ブルース・キングを破り知事に就任しました。

知事としての彼は、就任半年で424件の法案に対して200件もの拒否権を行使し、全米で最も高い拒否権行使率を記録しました。また、彼の在任中には教育バウチャー制度を導入するなど、支出削減と税制改革に積極的に取り組みました。再選後はマリファナの合法化を訴えましたが、実現には至りませんでした。

大統領選挙への挑戦

2008年の大統領選ではロン・ポールを支持したジョンソンは、2012年の選挙に向けて「Our America Initiative」を立ち上げ、自身の出馬を表明しました。しかし、共和党内での支持獲得が難しいことを悟り、リバタリアン党からの指名を求めることを決定。2012年のリバタリアン党大会で圧倒的な支持を得て指名を獲得しました。

選挙結果は、彼が目指した5パーセントの得票率には届かなかったものの、同党の候補として史上初めて100万票以上を獲得しました。彼の得票率は同党の歴代2位でした。

2016年の再挑戦

2014年には医療大麻会社のCEOを務めていたものの、2016年の大統領選挙に再出馬することを表明しました。リバタリアン党大会で再び指名を受け、共和党候補のドナルド・トランプに挑みました。選挙結果では落選しましたが、彼は400万票を獲得し、リバタリアン党の歴史の中で最も多くの票を集めました。

政策と試み

ジョンソンの政策は、リバタリアニズムを基底に根ざしたものです。政府の規模を縮小し、財政を健全に保つことを重視。同性結婚や麻薬の合法化、妊娠中絶の選択権の保護など、個人の自由を強く支持しています。また、銃規制にも反対の立場を取っています。福祉政策に関しては、医療保険改革に強く反対し、公的医療制度の廃止を唱えています。

人物としての側面

ジョンソンはフィットネス愛好家としても知られ、アイアンマン・トライアスロンやエベレスト登山に挑戦した経歴があります。彼はまた、鎮痛剤の副作用の結果として2016年の選挙中、過去にマリファナを使用していたことを公表しました。彼の政治的発言には時折失言もあり、特に「アレッポって？」といった発言が影響を与え、SNS上で大きな注目を浴びました。

このように、ゲーリー・ジョンソンの生涯はアメリカの政治とビジネスにおいて多岐にわたる影響を与え続けています。

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