コウリソドン

コウリソドン：白亜紀の海を支配した小型モササウルス

コウリソドン（学名: Kourisodon）は、後期白亜紀に生息していたモササウルス科の絶滅した属です。この属は、その化石がカナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバー島および日本の和泉層群から発見されていることで知られています。

発見と時代

コウリソドンの化石は、後期白亜紀の後期サントニアン期から後期カンパニアン期、さらには後期マーストリヒチアン期にかけての地層から発見されています。これらの発見は、コウリソドンが比較的長い期間にわたって生息していたことを示唆しています。

分類

当初、コウリソドンはレイオドン族の属として分類されていましたが、後に「クリダステス亜科」に再分類されました。この分類の変更は、その骨格の特徴が他のモササウルス科の属との類似性を示したためです。

形態とサイズ

コウリソドンは、モササウルス科の中では比較的小型の種であり、特に Kourisodon puntledgensis は全長が約3.75メートルと推定されています。この小型の体躯は、当時の海洋生態系におけるコウリソドンのニッチを理解する上で重要な手がかりとなります。

Kourisodon puntledgensis の特徴

Kourisodon puntledgensis は、カナダのブリティッシュコロンビア州のパントリッジ川沿いのサントニアン期のペンダー累層で発見された単一の産地から知られています。この種の生息環境には、エラスモサウルス科やカメ、他のモササウルス科も生息していましたが、首長竜のポリコティルス科は当時の太平洋には生息していなかったようです。

日本のコウリソドン

2005年には、日本の四国にある和泉層群の露頭から部分的な骨格が発見され、Kourisodon sp. に分類されました。この標本は、K. puntledgensis よりも長い上顎骨の歯を持っており、別の種である可能性が示唆されています。この日本の個体はまだ正式に命名されてはいませんが、コウリソドンの2番目の種として認識されています。和泉層群からは、他にも断片的な化石が発見されており、その中には幼体のものも含まれています。これらの化石は、コウリソドンの成長過程や生息範囲を理解する上で重要な情報源となっています。

標本の展示

Puntledge 川で発見された標本のレプリカは、カナダのマニトバ州モーデン市にあるカナダ化石発見センターで展示されています。これにより、一般の人々もコウリソドンの姿を直接見ることができます。

コウリソドンの重要性

コウリソドンの化石は、白亜紀後期の海洋生態系におけるモササウルス科の多様性と進化を理解する上で重要な役割を果たしています。特に、カナダと日本という地理的に離れた場所で発見されていることは、コウリソドンが広い範囲に生息していたことを示唆しています。今後の研究によって、コウリソドンの分類や生態がさらに詳しく解明されることが期待されます。

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