コオイムシ亜科

コオイムシ亜科（Belostomatinae）

コオイムシ亜科（学名：Belostomatinae）は、生物の広大な分類体系において、特定の階層に位置づけられる重要な分類群の一つです。この亜科は、動物界に属する節足動物門のうち、昆虫綱 (Insecta) に分類される生物群です。さらに詳細に見ると、昆虫綱の中の半翅目 (Hemiptera) に含まれ、その下の階級であるコオイムシ科 (Belostomatidae) の中に設定された亜科（subfamily）という分類階級にあたります。

分類学において、亜科は科（family）と属（genus）の間に位置づけられる中間的な分類単位であり、科を構成する生物の中で、さらに近縁なグループをまとめて区別するために用いられます。コオイムシ亜科は、コオイムシ科という比較的大きな分類群を細分化し、特定の共通祖先を持つと考えられる一群をまとめたものと言えます。

本亜科には、分類学的に認められているいくつかの属が含まれています。これらの属は、それぞれ異なる研究者によって異なる時代に記載（初めて学術的に定義し、発表すること）され、命名されました。以下に、このコオイムシ亜科に現在分類されている主な属を、発見または記載したとされる命名者（authority）とその年とともに示します。

Abedus Stål, 1862: この属は、スウェーデンの昆虫学者カール・ストール（Carl Stål）によって1862年に記載されました。
コオイムシ属 (Appasus) Amyot & Serville, 1843: フランスの昆虫学者であるシャルル・ジャン＝バティスト・アミオ（Charles Jean-Baptiste Amyot）とアンドレ・セルヴィル（Jean Guillaume Audinet-Serville）の共著によって1843年に記載された属です。日本において一般的に「コオイムシ」と呼ばれる種がこの属に含まれる可能性も示唆されています。
Belostoma Latreille, 1807: フランスの動物学者ピエール・アンドレ・ラトレイル（Pierre André Latreille）によって1807年に記載された属です。ラトレイルは多数の昆虫や節足動物の分類に関わった高名な学者です。
Diplonychus Laporte de Castelnau, 1833: フランスの博物学者であるフランソワ・ルイ・ノミエ・ド・ラポルト・ド・カステルノー（François Louis Nompar de Caumont La Porte, comte de Castelnau）によって1833年に記載されました。
Hydrocyrius Spinola, 1850: イタリアの昆虫学者マクシミリアン・スピノラ（Maximilian Spinola）によって1850年に記載されました。
Limnogeton Mayr, 1853: オーストリアの昆虫学者グスタフ・マイヤー（Gustav Mayr）によって1853年に記載されました。
* Weberiella De Carlo, 1966: アルゼンチンの昆虫学者ホセ・A・デ・カルロ（José A. De Carlo）によって1966年に記載された、比較的最近になって認知された属の一つです。

これらの属の名前と共に記されている人物名と年は、その属が初めて学術的に有効な記載が行われた際の命名者（authority）と記載年を示すものです。この情報は、分類学上の位置づけや学名の安定性を保証するために非常に重要です。分類学者は、新種の発見や既存の分類群の見直しを行う際に、これらの情報に基づいて研究を進めます。コオイムシ亜科の研究は、これらの属に含まれる様々な種の多様性を理解し、コオイムシ科全体の進化的な歴史や生態的な役割を解明する上で基盤となります。コオイムシ亜科は、このように明確な分類体系の中で位置づけられ、そこに包含される複数の属によって構成される分類群です。

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