コオバシギ

コオバシギの詳細

コオバシギ（学名: Calidris canutus）は、チドリ目シギ科に属する鳥類で、全体的に小柄な特徴を持っています。姿形は親しみやすく、多くの鳥愛好家に親しまれている存在です。

分布と渡り

この鳥は主にシベリア北部、北アメリカの北部、さらにグリーンランド北部で繁殖しますが、冬季には西ヨーロッパやアフリカ、中南米、インドネシア、オーストラリア、さらにはニュージーランドなど幅広い地域へ移動します。コオバシギはオバシギと似た見た目をしていますが、こちらの方が分布範囲は広いものの、地域ごとの生息状況は密度が高いわけではありません。また日本では、春と秋に旅鳥として姿を見せますが、その数は少なく、しばしばオバシギの群れに混ざって観察されることが多いのです。特に秋の渡りでは、幼鳥が多く観察される傾向があります。

形態

コオバシギの体長は約24cmで、オバシギと比べて一回り小さな体格をしています。繁殖期の夏羽では、頭部から腹部が赤褐色を呈し、背面は濃い茶褐色の毛に覆われています。下腹部は白色で、下尾筒も同様に白く、腰にあたる部分は白い地に褐色の斑点があるため灰色がかって見えます。嘴は短めで黒色をしています。冬羽になると、全体的に灰褐色の羽毛に変わります。雌雄の体色は、どちらも同じで見分けるのが難しいのが特徴です。

生態

コオバシギは非繁殖期には干潟や水田、河口、海岸などで生活し、比較的小規模な群れを形成します。繁殖期にはツンドラ地帯に移動し、そこで繁殖活動を行います。主に砂泥地で生活し、甲殻類やゴカイ、昆虫などを捕食することが多いですが、植物の種子を食べることもあります。繁殖は6月から7月にかけて行われ、地上に巣を作り、通常4個の卵を産むのです。雌は卵を産んだ後、しばらく巣を離れ、その後は雄が卵を温めたり、雛を育てたりする役割を担います。また、コオバシギの鳴き声は「ノッ」や「ポッポ」と表現されることが多く、特徴的な音色を持っています。

コオバシギはその独特な習性と移動パターンで、自然愛好者の関心を引き続けている鳥です。特に目を引くのは、日本国内での観察の際に他のシギ類と混ざりながら群れを作っている姿です。その存在は、季節の移り変わりを感じさせる貴重な風物詩となっています。

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