ココウモリ

ココウモリとは

ココウモリは、哺乳綱翼手目に属するグループで、オオコウモリ科以外の全てのコウモリを指す総称です。かつては小翼手亜目という分類でしたが、これは系統分類学的には側系統群とされ、現在では使われていません。

特徴

ココウモリの最大の特徴は、視覚よりもむしろ、超音波を用いた反響定位能力に優れている点です。これにより、光が届かない暗闇の中でも、障害物を避けながら自由に飛行することができます。一方、オオコウモリは主に視覚に頼って行動します。

食性に関しても、ココウモリは非常に多様です。基本的には昆虫食ですが、花蜜を吸うもの、魚を食べるもの、肉食のもの、そして雑食性のものも存在します。オオコウモリと比較して、食性の多様性が大きいのが特徴です。

分類

従来の分類では、小翼手亜目は陽翼手下目と陰翼手下目に分けられていましたが、分子系統解析の結果、ココウモリが側系統であることが判明しました。そのため、現在ではヤンゴキロプテラ亜目とインプテロキロプテラ亜目に分割されています。

ヤンゴキロプテラ亜目: 従来の陽翼手下目とほぼ同じグループです。
インプテロキロプテラ亜目: 従来の陰翼手下目と、オオコウモリ科を合わせたグループに相当します。

上科レベルでの分類も、系統分類に基づいて大きく変更されましたが、科の分類は比較的安定しています。

以下に、ココウモリの分類群の一部を示します。

インプテロキロプテラ亜目 Yinpterochiroptera

キクガシラコウモリ上科 Rhinolophoidea
アラコウモリ科 Megadermatidae
オナガコウモリ科 Rhinopomatidae
カグラコウモリ科 Hipposideridae
キクガシラコウモリ科 Rhinolophidae
ブタバナコウモリ科 Craseonycteridae
Rhinonycteridae

ヤンゴキロプテラ亜目 Yangochiroptera

サシオコウモリ上科 Emballonuroidea
サシオコウモリ科 Emballonuridae
サラモチコウモリ科 Myzopodidae
ミゾコウモリ科 Nycteridae
ウオクイコウモリ上科 Noctilionoidea
ウオクイコウモリ科 Noctilionidae
クチビルコウモリ科 Mormoopidae
スイツキコウモリ科 Thyropteridae
ツギホコウモリ科 Mystacinidae
ツメナシコウモリ科 Furipteridae
ヘラコウモリ科 Phyllostomidae
ヒナコウモリ上科 Vespertilionoidea
アシナガコウモリ科 Natalidae
オヒキコウモリ科 Molossidae
ユビナガコウモリ科 Miniopteridae
Cistugidae
ヒナコウモリ科 Vespertilionidae


ココウモリは、その多様な生態と進化の歴史において、興味深い研究対象となっています。

関連項目

* オオコウモリ

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