ココン州

ココン州は、カンボジアの南西端に位置し、タイランド湾に面する沿岸州です。かつては「ケッ・コッコン」と呼ばれていましたが、1996年に現在の「ココン州」へと名称が変更されました。州都はココンであり、州の名前は「コッコン島」に由来しています。

地理的には、トラート県（タイ）、ポーサット州、コンポンスプー州、シアヌークビル州と隣接しています。ココン州は8つの県（srŏk）によって構成されています。

ココン州の8県

1. ボトゥムサコール県（Botum Sakor）
2. キリサコール県（Kiri Sakor）
3. コッコン県（Kaôh Kŏng）
4. スマッチミエンチェイ県（Smach Mean Chey）
5. モンドルセイマ県（Mondol Seima）
6. スレイアンベル県（Srae Ambel）
7. トマバン県（Thma Bang）
8. コンポンセイラ県（Kampong Seila）

大規模開発プロジェクト

近年、ココン州では中国企業による大規模な開発プロジェクトが進行中です。中国の一帯一路政策の一環として、約360万平方キロメートル（シンガポール国土の約半分）の土地が99年間リースされ、38億ドルが投資されています。

このプロジェクトでは、港湾施設、全長3,200mの滑走路を持つ空港、リゾート施設などが建設されており、ココン州南西部の海岸沿い一帯が開発されています。この開発地域は、その地名から「ダラサコー・ロングベイ・プロジェクト（Dara Sakor）」と呼ばれています。

国際的な懸念

この大規模開発プロジェクトに対して、国際社会からは様々な懸念の声が上がっています。特に、ベトナムなどの周辺国からは、中国海軍が南シナ海やインド洋へ進出するための拠点、いわゆる「真珠の首飾り戦略」の一環であるとの見方が示されています。アメリカもこの空港が軍事転用される可能性を警戒しており、開発を進める中国企業に対して資産凍結などの経済制裁を実施しました。

ココン州の開発は、地域経済の発展をもたらす一方で、国際的な地政学的緊張を高める要因ともなっています。

関連情報

• - カンボジアの地方行政区画

脚注・出典

(情報は現状に基づいています。)

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