コゴメウツギ属

コゴメウツギ属（学名：Stephanandra）は、バラ科に属する落葉性の低木です。かつてはNeillia属として分類されていたこともあります。

特徴

コゴメウツギ属の植物は、以下の特徴を持ちます。

樹木: 落葉性の低木であり、冬には葉を落とします。樹高は通常、数メートル程度です。
冬芽: 小型で、2-4枚の鱗片に覆われています。これは、厳しい冬を越すための適応です。
葉: 互生し、葉柄と托葉を持ちます。葉の形は様々で、単葉または浅くから中程度に切れ込みが入ります。縁には不揃いの鋸歯状の欠刻があります。
花序: 枝先に総状、円錐状、または散房状につきます。これは、花の付き方の多様性を示しています。
花: 両性花で、小型です。萼裂片は5個で、萼筒は杯状です。花弁も5個あります。
雄蕊: 10-20個あり、萼筒の縁に1列に並んでつきます。
雌蕊: 1個です。
果実: 球状の袋果です。袋果の中には1-2個の種子が入っています。

分布

コゴメウツギ属は、東アジアに3種が知られており、日本には以下の2種が自生しています。

コゴメウツギ (Stephanandra tanakae): 日本の他、朝鮮半島、中国大陸、台湾にも分布しています。
カナウツギ (Stephanandra incisa): 日本固有種です。

外国の種

Stephanandra chinensis: 中国に分布しています。

日本の種詳細

コゴメウツギ: やや湿った場所に生育し、枝が細く、葉は小さめです。花は淡い緑白色で、多数が穂状に咲きます。
カナウツギ: 山地の岩場などに生育し、コゴメウツギよりも葉に深い切れ込みが入ります。花もやや大きめです。

利用

コゴメウツギ属の植物は、観賞用として庭木や公園に植えられることがあります。また、生け花や茶花としても利用されます。

その他

コゴメウツギ属の植物は、その繊細な姿と育てやすさから、ガーデニング愛好家にも人気があります。

参考文献

佐竹義輔他編『日本の野生植物 木本Ⅰ』(1989)平凡社
茂木透、石井英美他『樹に咲く花（離弁花1） 山渓ハンディ図鑑3』(2000)山と溪谷社
米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」（YList）

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