コシオガマ属

コシオガマ属 (コシオガマぞく)

コシオガマ属（学名：Phtheirospermum、漢字表記：小塩竈属）は、ハマウツボ科に属する植物のグループです。この属は元々はゴマノハグサ科に含まれていましたが、現在はハマウツボ科に分類されています。

特徴

コシオガマ属は、主に半寄生植物として知られる一年草です。茎は直立または斜上し、腺毛がやや密生しています。また、葉は対生の形をしており、深く裂けているのが特徴です。裂片はさらに細かく分かれ、多くの腺毛が見られます。

この属の花は、茎の上部に位置する葉腋ごとに1つずつ形成されます。萼は鐘状で先端が5裂し、腺毛が付着しています。花冠は筒状で、先端が唇形に分かれる特徴があります。上唇は2裂し、平らな兜形を形成しており、裂片の縁は外側に反り返ります。一方、下唇は3裂し、上唇よりも長く、内部には隆起した2列の条があり、裂片が開出します。

この植物の雄蕊は4本あり、上唇側に配置されており、下側の2本は上側の2本よりも長いのです。また、花柱は細長くて先端がやや太くなり、上下が不揃いな2片に割れています。子房は2室に分かれており、それぞれの室には多数の胚珠が存在します。

果実はゆがんだ卵形の蒴果で、先端が尖り、半分が萼に包まれています。内部には多数の種子が詰まっており、成熟すると胞背裂開して、種子が散布されます。種子の形状は楕円形であり、縦に走る数本の翼が特徴的です。

分布

コシオガマ属は東アジアに5種が確認されており、日本にはそのうちの1種であるコシオガマが分布しています。具体的には、コシオガマ（学名：Phtheirospermum japonicum）は、日本の北海道、本州、四国、九州に加え、朝鮮や中国の中北部、東北部、さらにはアムールにも見られます。

学名の由来

この属の学名である「Phtheirospermum」は、ギリシャ語の「phtheir」（シラミ）と「sperma」（種子）から由来しており、種子の形状がシラミに似ていることを示しています。

日本以外の分布種

日本以外にも、コシオガマ属にはいくつかの異なる種が存在します。主な種には以下が含まれます。

• - Phtheirospermum glandulosum Benth. ex Hook.f.
• - Phtheirospermum muliense C.Y. Wu & D.D. Tao
• - Phtheirospermum parishii Hook. f.
• - Phtheirospermum tenuisectum Bureau & Franch.

これらの植物たちもそれぞれ独特の特徴を持っており、地域によって異なる生育環境を持っています。私たちが野生植物を学ぶ際には、このような各種の情報をもとに、その生態や特徴を知ることが非常に重要です。

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