コスタ・ド・デスコブリメントの大西洋岸森林保護区群

コスタ・ド・デスコブリメントの大西洋岸森林保護区群について

コスタ・ド・デスコブリメントは、ブラジルに位置する大西洋岸森林の保護区群で、世界遺産としての地位を有しています。この自然遺産は、バイーア州の南部からエスピリト・サント州の北部にかけて広がる8つの自然保護区から成り立っており、その面積あたりの樹木の多様性は世界的に見ても非常に高い評価を受けています。

登録対象の保護区

この保護区群にはさまざまなIUCNカテゴリーに分類される保護区が存在します。特に、IUCNのカテゴリーIaに属するものとしては、以下の保護区が含まれています。

• - ウナ生物保護区（Una Biological Reserve）: 1980年に設立され、厳正に自然保護が実施されています。
• - CEPLACのパウブラジル試験拠点: 1993年にカカオ試験公社によって設定された保護区です。
• - ソーレタマ生物保護区（Sooretama Biological Reserve）: 1982年から保護区として機能しています。
• - ヴェラクルス保護拠点の民間自然遺産保護区: 1998年に設立され、個人による自然保護が行われています。
• - リニャレシュ森林保護区（Linhares Forest Reserve）: 私的に設定された保護区であり、生物多様性の重要な役割を果たしています。

また、IUCNカテゴリーIIに分類される国立公園としては、以下の3つがあります。

• - モンテ・パスコアル国立公園
• - パウ・ブラジル国立公園
• - デスコブリメント国立公園

これらの保護区は、豊かな生態系を持ち、自然環境を守るための重要な拠点となっています。

緩衝地域と生物多様性

大西洋岸森林生物圏保護区（Mata Atlántica Biosphere Reserve）が、これらの保護区を取り囲んでおり、緩衝地域としての役割を果たしています。しかしながら、具体的な緩衝地域の面積は定められていません。

この地域には、多様な熱帯林が広がり、多くの植物種が生息しています。特に、ブラジルボク（Paubrasilia echinata）はブラジルの国名の由来となっており、他にもジュサラヤシやブラジルゾウゲヤシといった特有の植物が見られます。また、海に近い地域ではマングローブも広がり、それぞれの生態系が相互に影響を与えています。

動物に関しても、タテガミナマケモノ、ホソオヤマアラシ、ジャガーなどが生息しており、これらは生物多様性の象徴とも言える存在です。

世界遺産登録基準

コスタ・ド・デスコブリメントは、以下の世界遺産登録基準を満たしており、国際的に評価されています。

• - (9) 陸上や海洋の生態系における重要な生物的・生態学的プロセスを示す顕著な例です。
• - (10) 生物多様性を保護するために意義深い自然生息地を含んでおり、特に絶滅の危機に瀕している種の生息地を有しています。

このように、コスタ・ド・デスコブリメントは、その貴重な生態系と多様な生物によって、地球の自然環境の保全に寄与している重要な地域であり、未来に向けての持続可能な生態系の維持が求められています。

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