コスト・オブ・リヴィングEP

『コスト・オブ・リヴィングEP』（The Cost of Living）は、1979年にザ・クラッシュによってリリースされた7インチEPです。プロデュースはバンド自身とビル・プライスが担当しました。

このEPは、初期のクラッシュのアルバムに見られた力強いパンクサウンドから、後の『ロンドン・コーリング』へと繋がる、より幅広いアメリカンロックンロールへの橋渡し的な役割を果たしています。特にフォークロックの要素を取り入れた「グルーヴィー・タイムズ」や「ゲイツ・オブ・ザ・ウェスト」といった楽曲にその傾向が顕著に表れています。

「アイ・フォウト・ザ・ロウ」
ボビー・フラー・フォーの楽曲のカバーである「アイ・フォウト・ザ・ロウ」は、クラッシュのバージョンが非常に有名となり、彼らのライブセットリストの定番曲となりました。ジョー・ストラマーは、ザ・ポーグスとの活動を含むソロキャリアにおいてもこの曲を演奏し続けました。この曲はEPの冒頭を飾り、彼らの音楽的ルーツと新たな方向性を示す重要な曲となっています。

「キャピタル・レディオ」
初期の楽曲「キャピタル・レディオ」の再録音版が収録されている背景には、『キャピタル・レディオEP』が高値で取引されている状況がありました。バンドは、より多くのファンにこの曲を届けたいと考え、再録音を決意しました。この再録音版はオリジナルよりも長く、「キャピタル・レディオ・ツー」として知られるようになります。歌詞の内容もアップデートされ、当時の社会情勢や音楽シーンに対するバンドの視点が反映されています。

レコーディングはロンドンのハイベリーで行われ、デニス・フェランティが「超高音ボーカル」として、ボブ・ジョーンズがハーモニカで参加しています。これらのゲストミュージシャンの参加も、このEPの音楽的な多様性を高める要素となっています。

収録曲
A面
アイ・フォウト・ザ・ロウ "I Fought the Law" （ソニー・カーティス） — (2分40秒)
グルーヴィー・タイムズ "Groovy Times" — (3分25秒)
B面
ゲイツ・オブ・ザ・ウェスト "Gates of the West" — (3分25秒)
キャピタル・レディオ "Capital Radio" — (4分5秒)

『コスト・オブ・リヴィングEP』は、ザ・クラッシュの音楽的な進化を示す重要な作品であり、彼らの多様な音楽性を堪能できる一枚として、今もなお多くのファンに愛されています。

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